株式会社シノプスは、生活協同組合おかやまコープが運営する食品スーパーマーケットに、需要予測型自動発注サービス「sinops-CLOUD」の導入を完了したことと、導入後の効果について発表しました。
おかやまコープは、岡山県内で約34万世帯の組合員に食品や日用品を供給しており、世帯加入率は約40%に達しています。従来グロサリーカテゴリーの発注には基幹システムに付属する自動発注システムを利用していましたが、日配カテゴリーは賞味期限が短く需要変動が大きいため、発注と在庫管理のバランスが難しい状況でした。
そこで、ロス削減と人時改善を目指し、日配カテゴリーにも対応可能な需要予測型の自動発注サービス「sinops-CLOUD」の実証実験を2023年10月より一部店舗で開始しました。発注時間の大幅な削減や値引き・廃棄ロス率の改善が確認されたことから、全店への導入を決定し、2024年10月より稼働しています。
導入後の効果として、発注にかかる作業時間が1店舗1ヶ月あたり約65.8時間削減されました。全店では年間約8,680時間を削減できる見込みです。また、値引き・廃棄ロス率は約1.0%改善(改善率では分類ごとの特性もあり10%~25%改善)、在庫金額は畜肉加工品で25%、日配で30%と大きく改善されました。目標値の約4倍の売上・粗利改善が見込まれています。
特に効果が顕著だったのはパンカテゴリーです。パンの賞味期限は約3~5日と短く在庫管理が難しいカテゴリーですが、一部商品での欠品はあったものの在庫金額を14.0%、値引き・廃棄ロスを17.5%改善するという大きな効果が出ています。
今回導入されたのは、「sinops-CLOUD リアルタイム在庫」「sinops-CLOUD 客数予測」「sinops-CLOUD 日配」「sinops‐Pad/Got」の4サービスです。これらのサービスにより、店舗ごとの在庫・売上情報をリアルタイムで把握し、天候やイベントなどを加味した時間帯別の客数予測、日配品に特化した需要予測型自動発注が可能になりました。
シノプスは、「世界中の無駄を10%削減する」というビジョンのもと、需要予測型自動発注サービス「sinops」を開発・販売しています。おかやまコープでは、データを定期的に収集・分析することにより、導入効果を高め、作業効率や売上・利益率を向上させるための取り組みを引き続き行っていく方針です。AI技術を活用した需要予測と自動発注システムの導入により、食品ロスの削減と業務効率化を同時に実現する取り組みとして、今後の成果も注目されます。