イオン株式会社は8月4日、首都圏および近畿圏におけるエリア戦略推進によるシェアNo.1実現のため、グループ内スーパーマーケット6社の経営統合に向けた協議開始について基本合意書を締結したと発表しました。2025年12月に最終契約締結、2026年3月1日に経営統合の効力発生を予定しています。
今回の統合協議には、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社、株式会社ダイエー、株式会社光洋、マックスバリュ関東株式会社、イオンマーケット株式会社が参加します。首都圏では、マックスバリュ関東とダイエーの関東事業、イオンマーケットとの統合により、総売上高1兆円超のスーパーマーケット企業集団として成長を加速させる計画です。
近畿圏においては、ダイエーがイオングループの近畿圏エリア戦略の中核企業となるように経営資源を集中し、光洋との統合により売上高3千億円のスーパーマーケット企業として新たな成長を図ります。光洋のブランド力と生鮮食材・惣菜を中心とした付加価値型商品の提供ノウハウ、ダイエーのサプライチェーンマネジメントと180店舗を超える店舗網の組み合わせにより、シナジー効果と京阪神を中心としたエリアドミナント強化を目指します。
食品スーパーマーケット業界では、EC事業者やディスカウントストア、ドラッグストアなど他業種の食品取り扱いが増加し、競争のボーダレス化による競合環境の激化が進んでいます。また、インフレによる原材料価格高騰、賃金上昇、水光熱費高騰などによるコスト増加への対応も求められています。こうした背景から、6社は持続可能な未来に向けて、統合により競争力を強化する判断に至りました。
イオンは、2026年2月期への影響は軽微としつつ、中長期的には各社の業績向上に資するものという予想を示しています。首都圏、近畿圏のリージョナルシフトを終えた後は、スケールメリットをさらに追求すべく、「国内全エリアのシェアNo.1」を目標にする方針です。
小売業界では人口減少や消費者ニーズの多様化が進む中、規模の経済を活かした効率化と地域に合うサービスの両立が重要な課題となっており、今回の統合は業界再編の新たな動きとして注目されます。