世界で生産された食品の約40%に当たる年間25億トンが廃棄されている現状の中、日本でも年間522万トンの食品ロスが発生しており、深刻な環境問題となっています。
こうした課題に取り組む株式会社STRKが運営する会員制通販サイト「トクポチ」が、累計37,465人の会員を獲得し、241トンのフードロス削減を実現したことが明らかになりました。
「トクポチ」は、本来廃棄されるはずの食品を格安価格で販売するサービスです。全商品が定価の50%オフから始まり、1ヶ月ごとに割引率が10%ずつ上がり、最終的には無料で入手できる独自の仕組みを採用しています。
特に30代から50代の女性からの支持を集めており、お得な買い物と社会貢献の両立という点が多くの共感を呼んでいます。累計で象約40頭分に相当する241トンの食品を廃棄から救い出し、消費者に提供してきました。
しかし、現在の成功に至るまでには大きな試練がありました。過去には会員数が2500人から20人にまで激減する危機に直面したのです。
代表取締役の我時朗氏は、両親がボランティアという極貧生活の中で育ち、幼少期から「食べられることのありがたみ」を深く感じてきた経験が、フードロス削減への情熱の原点になっていると語ります。
会員数激減の原因は「毎週値引き」を行っていたことにありました。頻繁な値引きが顧客を疲れさせ、トクポチの本来の価値が十分に伝わっていなかったのです。そこから「毎月値引き」に切り替えたところ、会員数が回復していきました。
こうした取り組みが評価され、2022年には一般社団法人日本サブスクリプションビジネス振興会が主催する「日本サブスクリプションビジネス大賞」において、テモナ株式会社が選定する特別賞「テモナ賞」を受賞しました。
同社は2030年までに会員数1,000万人を目指す方針です。日本国民の食品ロスに対する意識を変え、フードロスそのものが無くなる世界を創ることを目標に掲げています。




