Cookie規制時代の切り札、AI搭載トラッキングツール「JENTIS」が日本上陸

・ギャプライズが欧州発のサーバーサイド型トラッキングツール「JENTIS」の国内提供を開始、Cookie規制による最大70%のデータ欠損問題に対応
・同意なしでも合法的にデータ取得可能なエッセンシャルモードと、AI活用でコンバージョンを最大100%復元する合成ユーザー機能を搭載
・無料POCプログラムを提供し、既存計測環境との並行稼働で自社サイトのデータ欠損状況を可視化できる実証実験を実施

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Cookie規制時代の切り札、AI搭載トラッキングツール「JENTIS」が日本上陸

海外SaaS商社の株式会社ギャプライズは、SaaS型のサーバーサイドトラッキングツール「JENTIS(ジェンティス)」の国内提供を開始したと発表しました。

各ブラウザによるトラッキング制限、広告ブロックサービスの普及、同意管理の強化が進む現在、多くの企業で本来取得できていたはずのデータが最大70%欠損しています。この問題により、分析ツールと実際の売上データにズレが生じ、広告効果測定や顧客理解に大きな影響が出ています。

JENTISは、Cookie規制やブラウザ制限、広告ブロッカーの影響で「見えなくなったデータ」を、プライバシーに配慮しながら補完する技術を採用しています。DCP(Data Capture Platform)モデルのサーバーサイドトラッキングにより、ユーザー行動データをまず企業専用サーバーで受け取り、必要に応じて匿名化・仮名化・クレンジングを実施。その上でGoogleアナリティクス4などの分析ツールや各種広告プラットフォームへデータを配信します。

同ツールの革新性は国際的にも高く評価されており、2023年の世界経済フォーラム期間中に開催された国際スタートアップコンペティション「Davos Founders Games 2023」では、世界約4,500社の参加企業の中からわずか5社の受賞企業の一つとして選出されました。

JENTISの主な特長は3点です。第一に、エッセンシャルモードにより、ユーザーが同意しなかった場合でも、ePrivacy指令が認める「厳密に必要」な範囲で匿名化データを合法的に取得できます。第二に、合成ユーザー機能により、同意ユーザーの実データとエッセンシャルモードで取得した統計データを組み合わせ、AI活用で欠損コンバージョンを再構成し、最大100%のデータ復元を実現します。第三に、サイト側には基本1つのJENTISタグを設置するだけで、サーバー側でクレンジングしたファーストパーティデータを100以上のツールへまとめて配信できます。

処理はEU/EEA域内のISO 27001認証データセンターで行われ、JENTIS自体もISO 27001:2013を取得しており、プライバシーとセキュリティの両面で欧州基準に沿った運用を実現しています。

導入メリットとしては、ITP、広告ブロッカー、同意管理による欠損をサーバー側で補い計測精度を向上させるほか、広告プラットフォームに返せていなかったコンバージョンシグナルを補完し入札や最適化の精度を高めます。また、サーバーサイドでの安定したファーストパーティ識別により、ブラウザ制限に左右されずリピート顧客を正しく認識できます。さらに、イベントデータを自社DWHやAI基盤に直接エクスポートでき、LTV分析や予測モデル構築などの高度な活用も可能です。

ギャプライズは、日本国内企業が自社データの欠損状況を正しく認識することが重要だと考え、JENTISを活用した無料POC(実証実験)プログラムを提供します。既存のデータ計測環境とJENTISによるサーバーサイド計測を並行稼働させることで、自社サイトにおけるデータ欠損の有無と程度、ビジネス指標への影響を定量的に可視化できます。現在、本プログラムへの参加企業を募集しています。

ガートナージャパンによると、日本のエンタープライズIT総支出は2023年に前年比4.7%増の約28.5兆円、2025年には30兆円を超える見込みです。その中でSaaS市場は2022年時点で1.1兆円と全体の4%弱を占めるに過ぎず、著しい成長潜在力を秘めています。

ギャプライズは2012年以降、世界各地から革新的なテクノロジーを見出し提案し続けることで差別化を目指してきました。monday.comやriskifiedなどの国外上場企業や、Contentsquare、Yotpoのような数億ドル規模の資金調達を成功させた企業との強固なアライアンスを築く中で、市場におけるユニークな地位を確立してきたとしています。

《AIbot》

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