合同会社RASA JAPANは、全国の生活者を対象に「YouTubeを起点とした購買行動に関する実態調査」を実施しました。調査主体はhotice株式会社で、2026年2月20日にインターネット調査として行われ、有効回答数は636名です。
本調査では、2026年現在の日本人の視聴習慣と購買プロセスの相関を分析。その結果、YouTubeは日本人の約半数が月1回以上購入を行う「巨大な意思決定プラットフォーム」へと進化している実態が判明しました。
日本人の約半数が月1回以上購入
YouTubeの投稿が、日本人の財布を動かす主要な購買スイッチとなっている実態が明らかになりました。利用頻度として最も多くの票を集めたのは、YouTubeをきっかけに月に1回程度は商品購入やサービス利用をするという回答で19.34%に達しています。
これに月に2~3回程度の頻度で買うと答えた17.77%が続きます。さらに、1週間に1回以上という極めて高い頻度で実購買に至るユーザー層も11.32%存在しており、これらを合算すると日本人の約半数が、少なくとも月に一度はYouTube動画を起点に消費行動を起こしていることになります。
世代別に見ると、20代日本人の5人に1人が月2回購入しており、21.43%が月に2~3回という高い頻度で買う実態が調査から見えてきました。さらに、20代の16.07%はYouTube経由で1週間に1回以上の買い物を行うと回答しており、もはや動画プラットフォームは彼らにとって、最新トレンドや商品を購入するためのカタログに近い存在となっています。
購買決定の鍵は「デメリットの正直な開示」
実際に購入経験を持つ502人の日本人による回答を分析すると、発信者の誠実さと情報の凝縮度が鍵となっていることが分かりました。最も多くの人が挙げたのは、「投稿者が感じたデメリットや欠点も正直に書かれていること」で、41.83%に達しています。良い面だけでなくマイナス面も共有されることが、日本人の深い信頼に繋がっています。
次いで、「1分以内の短い動画で、要点(魅力)がまとまっていること」が32.67%となり、タイパを重視する層に刺さっています。また、「多くの人が保存やいいねをしている話題性」を決め手とした人も31.87%存在しました。
世代別に見ると、10代の日本人では49.12%が「デメリットや欠点も正直に書かれていること」を重視する割合が高く、SNSのPR色を敏感に察知する世代ならではの、嘘のない情報を求める姿勢が際立っています。この傾向は50代以上の日本人でも顕著で、52.00%がデメリットの開示を購買の決め手として挙げています。
対照的に、20代の日本人においては「多くの人が『保存』や『いいね』をしている話題性」が38.10%と全年代で最も高くなりました。周囲の反応やトレンドを素早くキャッチし、その盛り上がりを信頼の指標とする若い世代の購買心理が調査から読み取れます。
購入前の行動は検索エンジンでの再検索が最多
YouTubeをきっかけに購入経験がある日本人502人の回答では、複数の手段を組み合わせて慎重に判断する姿が確認されました。最も多かった行動は、商品名やブランド名を検索エンジンで再検索するという回答で52.19%です。
これに次いで、公式サイトやECモールで価格や詳細スペックを確認するという日本人が46.81%となりました。また、デジタル上での情報収集だけでなく、店舗に足を運んで実物を確認してから購入するという層も32.67%と根強く存在しています。
性別による比較調査では、日本人の男女で購入を決めるまでの優先順位に違いが見られました。男性は公式サイトやECモールで価格やスペックを確認するという回答が50.62%と半数を超え、性能やコストパフォーマンスを論理的に分析して購買を判断する傾向にあります。
対して日本人女性は、店舗に足を運んで実物を確認してから購入するという層が35.91%に達し、男性の29.22%を上回る結果となりました。また、女性は家族や友人に相談・共有するという割合も22.01%と高く、周囲の意見や実際の質感を大切にしながら、納得感を持って買うことを重視する調査結果が得られています。
購入ジャンルは食品・飲料がトップ
YouTubeをきっかけとした購買経験を持つ日本人502人を対象に、実際に購入・利用したジャンルを調査したところ、最も多かったのは食品・飲料・お取り寄せ・ギフトで34.66%となりました。
これに続く人気ジャンルとして、生活雑貨・インテリア・キッチン用品が32.07%、美容・コスメ・スキンケアが30.68%と、日常を彩るカテゴリーが上位に並んでいます。また、ファッション(服・靴・バッグ等)も29.68%と高い水準にあります。
年代別の購入ジャンルを分析すると、日本人のライフステージに応じたYouTubeの活用方法が鮮明になりました。特に20代では「美容・コスメ・スキンケア」が40.00%、「ファッション」が38.89%に達しています。これは、SNSでの「見られ方」を意識する世代にとって、使用感やサイズ感を動画で疑似体験できるYouTubeが、失敗しないための必須カタログとして機能していることを示しています。
一方で、30代の日本人においては「食品・飲料・お取り寄せ・ギフト」が41.33%と全年代で最も高くなりました。仕事や育児で多忙な世代にとって、YouTubeでの「時短レシピ」や「ご褒美グルメ」の紹介は、効率的かつ確実なQOL(生活の質)向上手段として取り入れられている実態が調査から分かります。
平均購入金額は1,000円~5,000円が約7割
実際にアクションを起こした502人の回答を紐解くと、YouTubeは特別な贅沢よりも、日々の暮らしを少し良くする買い物の指針として機能しています。最も多くの票を集めたのは「1,000円以上~3,000円未満」の38.65%でした。
これに続くのは「3,000円以上~5,000円未満」の28.49%で、全体の約3分の2が5,000円以下の範囲に収まっています。一方で、より手軽な「1,000円未満」は10.36%、「5,000円以上~10,000円未満」の中価格帯は13.94%となりました。
さらに、高額な買い物への影響力も無視できません。「10,000円以上~30,000円未満」が5.58%、「30,000円以上」という高額決済に至る日本人も2.99%存在しています。日常の小物から高価な投資まで、YouTubeが日本人の消費の幅を広げている様子が浮かび上がります。
年齢層によって、YouTube動画をどのような判断材料にしているかは大きく分かれました。自由になるお金が限られる10代では、「1,000円以上~3,000円未満」が49.12%、「1,000円未満」が19.30%と、計7割近くが3,000円以下の出費に集中しています。
対照的に、所得が安定してくる50代では「5,000円以上~10,000円未満」の割合が22.00%に達し、さらに「30,000円以上」の高額回答も8.00%と全年代で最も高くなりました。失敗したくない高価な家電やこだわり品ほど、信頼できる発信者の動画を参考に納得して買いたいという、大人世代の慎重な心理が透けて見えます。
調査結果が示す示唆
今回の調査から、YouTubeは日本人にとって単なる娯楽プラットフォームではなく、購買意思決定における重要な情報源として確立していることが明らかになりました。特に「デメリットの正直な開示」を4割超が重視している点は、情報の誠実さが日本人の購買心理を支える最大の鍵となっていることを示しています。
また、世代や性別によって購買プロセスや重視するポイントが異なることも判明しました。企業やマーケターにとって、ターゲット層に応じた動画コンテンツ戦略の重要性が一層高まっていると言えるでしょう。







