DHLジャパンは2026年6月11日、「2026年版DHL Eコマーストレンドレポート」を発表しました。同レポートは29カ国・2万9,000人の消費者を対象とした大規模調査に基づき、AI技術の普及やサステナビリティへの関心の高まりなど、EC業界を取り巻く5つの主要トレンドを分析しています。
消費者の29%が5年以内にAIへの購買委任を検討
レポートによると、消費者の29%が「5年以内に日常的な購買をAIに委任することを検討している」と回答しており、EC市場における購買の自動化・AI化が急速に進んでいる実態が明らかになりました。すでに消費者の51%がAIを活用してプロダクトリサーチを行っており、AI活用が特定ユーザー層だけでなく幅広い年代に浸透しています。
OOH(自宅外配送)の急拡大とカート離脱問題
自宅以外の場所(職場・コンビニ・ロッカーなど)で荷物を受け取る「OOH(Out-of-Home)」配送が急速に普及しており、2030年までにオンライン注文の15~25%がOOHで配送されると予測されています。日本でも宅配ボックスやコンビニ受け取りの利用者が増加しており、この傾向は今後さらに加速するとみられます。
一方、決済に関しては依然として課題が残っています。消費者の62%が「希望する決済手段が利用できない場合にカートを離脱する」と回答しており、多様な決済手段の整備がECサイト運営者にとって重要な課題となっています。
中古品市場の主流化とサステナビリティへの需要
C2C(消費者間)の中古品売買が急速に主流化しており、世界のリセール市場は2029年までに6,000億ドル規模に達すると予測されています。消費者の環境意識の高まりとともに、EC事業者にもサステナブルな配送・梱包への対応が求められています。調査では約50%の消費者が「環境に配慮した配送オプションがあれば、より高い料金を払っても良い」と回答しました。
同レポートは急激に変化するEC市場においてAI、OOH、サステナビリティといった新潮流への対応が事業者の競争優位性を左右する重要な指標になっていることを示しており、EC事業者は既存の戦略を根本から見直す必要があると指摘しています。

