2025年2月の食品値上げ、1656品目に 2025年通年は前年比同時期比9割増のハイペース

・2025年2月の食品値上げは1656品目で、前年同月比1.8%増加
・加工食品が589品目で最多、調味料357品目、菓子329品目と続く
・2025年通年の累計値上げ品目数は8867品目、前年比9割増のペース

市場 マーケット
2025年2月の食品値上げ、1656品目に 2025年通年は前年比同時期比9割増のハイペース
  • 2025年2月の食品値上げ、1656品目に 2025年通年は前年比同時期比9割増のハイペース
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  • 2025年2月の食品値上げ、1656品目に 2025年通年は前年比同時期比9割増のハイペース
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株式会社帝国データバンクは、2025年2月の食品値上げ動向を分析し、展望と合わせて発表しました。調査によると、値上げ品目数は1656品目に達し、前年同月比で30品目・1.8%増加したことが明らかになりました。2025年通年の累計値上げ品目数は8867品目で、前年同時期比9割増のペースです。

2月の値上げを食品分野別に見ると、「加工食品」が589品目で最多となりました。次いで「調味料」が357品目、「菓子」が329品目と続きます。「酒類・飲料」も266品目の値上げが確認されています。

値上げの要因としては、原材料高が97.6%と最も大きな割合を占めています。また、物流費由来の値上げが79.4%、人件費由来の値上げが50.9%と、サービス価格上昇の影響も顕著になっています。

2025年通年の累計値上げ品目数は8867品目となり、前年同時期と比べて9割増のペースで推移しています。この傾向が続けば、4月に年間累計1万品目を突破する可能性があります。さらに、年間では1.5~2万品目に達する見通しです。

値上げの背景には、円安の長期化による輸入食材の価格上昇や、世界的な天候不順に起因するコーヒー豆やカカオ豆など一部作物の不作などがあります。また、最低賃金の引き上げや定期昇給による人件費の上昇、物流コストの増加なども要因となっています。

消費者の実質賃金の伸び悩みを背景に、小売現場では値上げに対する拒否反応から販売量減少といった影響も顕在化しきました。帝国データバンクは、企業努力によるコスト吸収が限界に近づきつつある中、少なくとも今夏までは大幅な価格引き上げを伴う値上げが相次ぐ可能性があるという見通しを示しています。

食品業界では、原材料費や人件費、物流費などのコスト上昇が続く中、価格転嫁の動きが強まっています。消費者の家計負担が増す一方で、企業にとっては収益確保のための難しい判断が迫られており、今後も値上げ動向に注目が集まりそうです。

《Commerce Innovation編集部》