株式会社ZAICOは、日本政策金融公庫より新株予約権付融資(スタートアップ支援資金)として2億円の資金調達を実施したことを発表しました。これにより同社の累計資金調達額は6億円となります。
同社はクラウド在庫管理システム「zaico」を開発・提供しており、今回の調達資金を活用して、IoTやAIを活用した在庫管理・受発注業務の自動化ソリューション開発を加速させる方針です。
「zaico」は現在累計18万社に利用され、本システムの導入により「モノの数量の変化や、受発注の管理を効率化できた」という評価を得ています。一方で、同社は最終目標として「在庫管理をする人」そのものを不要にし、「モノの情報のインフラ」となることを掲げています。
今回調達した資金は、主に2つの領域の開発強化に投資されます。1つ目はIoTやAI技術を活用した「在庫管理の自動化」ソリューションの開発です。すでに提供している自動化ソリューションとして、モノの重量で在庫数を自動管理するIoT重量計「ZAICON」、RFIDを活用した「R-ZAICO」などがあります。


さらに、棚からモノを出し入れすると自動的に数を増減する「Z-SHELF」、スマホを空間にかざすだけで在庫数を可視化する「Z-AR」など、在庫管理を自動化する「Zシリーズ」の開発にも注力していく計画です。
2つ目は受注・発注業務を効率化する新たなプロダクト開発です。在庫管理の隣接領域である「受注・発注」業務を自動化するネットワークサービス「zaico サプライチェーンマネジメント」(ZSCM)の開発を強化します。ZSCMは、zaico上で「在庫管理」と「受注・発注」を一貫して行い、必要に応じて取引先の在庫状況等を共有し合うことで、モノの受発注を自動化する仕組みです。
代表取締役の田村壽英氏は、今回の資金調達について「社会からさらなる信頼を得られた」と喜びを示しています。また、日本政策金融公庫からは、地方発のスタートアップという希少性と、在庫管理の課題解決という事業内容に対する評価と期待を受けたことを説明しました。
ZAICOは「モノの情報を集め、整え、提供することで、社会の効率を良くする」をミッションに掲げ、2016年よりzaicoを提供してきました。創業時からメンバーは全員フルリモートワークで事業を展開しています。今後はさらなる技術開発や人材採用に投資し、企業や社会に向けて価値提供ができるプロダクトを短期間で実現していく考えです。
小売・流通業界において在庫管理の効率化は長年の課題となっており、特に人手不足が深刻化してきた中で自動化ソリューションへの需要はますます高まっています。ZAICOの取り組みは、企業単体の業務効率化にとどまらず、サプライチェーン全体の最適化につながる可能性を秘めており、業界全体のDX推進に寄与することが期待されます。