株式会社ロボトラックは、プレシリーズA資金調達ラウンドで、約12億円の資金調達を実施したと発表しました。グロービス・キャピタル・パートナーズ株式会社をリード投資家として、オリックス株式会社など、複数投資家を引受先としています。
ロボトラックは「世界最高水準のトラック自動運転技術により、物流の2024年問題の解決を目指す」を掲げるスタートアップです。2024年4月に日本で設立され、独自開発のAIアルゴリズムやテクノロジーを駆使し、経済産業省の「モビリティDX促進のための無人自動運転開発・実証支援事業」に採択されています。
同社の設立後1年経たずに新東名高速道路駿河湾沼津SA - 浜松SA間にて100kmのレベル4相当の走行テストに成功しました。2025年度に東京-名古屋間、2026年度に東京-大阪間でのレベル4相当の実証実験、そして2028年度には製品の上市を計画しています。
創業者のNan Wu氏は早稲田大学で自動運転の技術研究に従事した後に、同大学で研究助手、主任研究員を歴任。2016年に米国にて自動運転スタートアップの共同創業者として世界初のレベル4自動運転大型トラックの開発を手がけ、米ナスダック上場に導きました。
ロボトラックは2025年3月に、東大IPC・PKSHA Algorithm Fund・AIS Capitalのベンチャーキャピタル3社からシードラウンドにて約3億円の資金調達を完了しています。今回のプレシリーズA資金調達により、主に技術開発体制の強化を図ると共に、既存投資家・新規投資家と協力して事業開発を加速させていきます。
特に、本ラウンドから参画した新規投資家のオリックスとは、同社子会社であるオリックス自動車も含め、レベル4物流自動運転システムの事業化に向けたパートナーとして、共に物流業界に貢献していく考えです。
2025年6月には、羽賀雄介氏が共同創業者として代表取締役CEOに就任しました。羽賀氏は慶應義塾大学を卒業後、三菱商事に入社し、いすゞ自動車の東南アジア向け営業・マーケティング業務に従事。帰国後に宇宙航空事業にて、中央省庁向け新規事業開発・大手企業とのJV設立・スタートアップ投資案件等を手がけてきました。その後、SkyDriveのCOOとして空飛ぶクルマ・ドローンビジネスの成長に貢献しました。豊富な実務経験を活かし、成長に貢献していくとしています。
ロボトラックは国内における長距離自動運転技術の第一人者となり、既存の物流事業者に寄り添い、顧客課題の解決に貢献することを目指すとしています。物流業界が直面する深刻な人手不足や働き方改革への対応が急務となる中、同社の技術革新が業界全体の課題解決に向けた重要な一歩となることが期待されます。