ファミマ、物流配送CO2排出量の12.8%削減に成功 AIを活用した効率化などが寄与

・2024年度の物流配送におけるCO2排出量を2017年度対比12.8%削減達成
・AI配送シミュレータ導入により走行距離を約5,300万キロ(約20%)削減
・FC小型トラックやクリーンディーゼル車など環境配慮型車両を積極導入

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ファミマ、物流配送CO2排出量の12.8%削減に成功 AIを活用した効率化などが寄与

株式会社ファミリーマートは、2024年度の物流配送において排出されるCO2を2017年度対比で12.8%削減できたと発表しました。これは、2030年までにCO2排出量を2017年度比で30%削減することを目標に掲げ、複数の観点から物流の脱炭素化に取り組んだ結果となります。

同社では、AI技術を活用した配送最適化システムの導入を段階的に進めています。2022年10月から弁当やサンドイッチなどの定温・チルド配送でAI配送シミュレータの運用を開始し、2023年10月にはアイスクリームや冷凍食品などの冷凍配送、2024年6月には加工食品・ドライ飲料などの常温配送に導入範囲を拡大しました。効率的なルート設定により、配送コースや配送車両台数が約10%削減され、2017年度対比で走行距離を約5,300万キロ(約20%)削減することに成功しています。

車両面では、2019年9月から排出ガス規制をクリアしたクリーンディーゼル車への入れ替えを推進し、2025年2月末までに約2,300台の配送車両の入れ替えを実施しました。さらに、FC(燃料電池)小型トラックについては2021年11月から導入を開始し、2025年5月末で17台が稼働しています。この取り組みは、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成事業として実施されています。

また、2021年6月からはリニューアブルディーゼル(RD)を使用した配送車両の運用も開始し、2025年2月末で3台が稼働中です。他社との協業も進めており、2024年2月からはコカ・コーラ ボトラーズジャパンと神奈川県海老名市・厚木市エリアにおいて車両の共同活用を開始し、新規配送車両の削減と車両の安定稼働を実現しています。

今後の取り組みとして、同社は配送コースの効率化、最新技術を活用した環境配慮型車両の導入、他社との協業・連携の推進、配送回数の最適化の4つの柱で物流配送におけるCO2排出量削減を推進していく方針です。

コンビニエンスストア業界では、店舗数の拡大とともに物流配送の効率化が重要な課題となっており、ファミリーマートの取り組みは業界全体の脱炭素化推進に向けた先進事例として注目されます。

《Commerce Innovation編集部》

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