株式会社サイエンスアーツは、フロントラインワーカーをつなぐライブコミュニケーションプラットフォーム「Buddycom(バディコム)」に搭載予定のカスタマーハラスメント対策機能「セーフティーサポート」について、サミット株式会社での実証実験を9月まで実施すると発表しました。
サミットは、株式会社ティーガイアとスマートデバイスを用いたICT化を推進しており、小売業界のDX推進モデルとして注目されています。店頭でのAIカメラ実用化など、リテールAIの導入も推進しています。
「セーフティーサポート」は、社会問題化しているカスハラ問題に対応するため緊急開発された機能です。カスハラは顧客から従業員に対する不当な言動や要求などの迷惑行為を指し、従業員の精神的・肉体的負担を増大させています。特に接客業やサービス業で深刻化しており、離職率の増加や労働生産性の低下を引き起こしています。

同機能では、第1弾として1クリックでの即座な緊急通知を実装。従業員が助けを求める際にボタンを1クリックすることで、あらかじめ設定されたグループへ緊急通知を行い、録音した会話の音声、音声をリアルタイムに文字起こししたテキスト、位置情報が自動で共有されます。
第2弾では、AIによるカスハラ検知と自動での緊急通知機能を追加予定です。接客の音声を常にAIでリアルタイムに分析し、カスハラに該当する事象を検知した際に、自動で緊急通知を行います。
緊急通知を受け取った近くにいる従業員が、顧客とのやり取りをリアルタイムに確認しながら、MAP機能で位置を特定し、速やかに現場に駆け付けることで事態の重大化防止を図ります。
サミットでの実証実験を皮切りに、小売のほか、航空・鉄道・警備・医療・介護業界など、接客業務の多い業界への導入を順次進める計画です。また、接客での音声データをAIで分析することで接客の質向上につなげるなど、AI活用を進めることでライブコミュニケーションプラットフォームとしてのBuddycomのさらなる発展を目指しています。
人手不足が進む中で、従業員を守るカスハラ対策の重要性は増しています。接客中の判断が難しい、正当性のあるクレームとカスハラの線引きにも、AIを用いた客観的な分析が寄与すると考えられます。