生活必需品メーカーと小売業をつなぐ卸売業の株式会社PALTACと、リテールメディア事業等を展開する株式会社フェズは、リテール業界を含むサプライチェーンのデータ統合・活用によるDX推進を目的として、資本業務提携契約を締結したと発表しました。
PALTACは1898年の創業以来、化粧品・日用品、一般用医薬品などの中間流通を担う卸売業として、約400社の小売業と約1,000社のメーカーとのネットワークを構築してきました。同社は業界No.1の流通情報量という強みを活かし、流通のイノベーションに挑戦しています。
一方、フェズはドラッグストアやスーパーマーケット、ホームセンターなど複数の大手小売業と連携し、ID横断型の購買データや店頭データ、バイヤー施策データ、販促データなどを管理・分析する国内最大級のリテールデータプラットフォーム「Urumo(ウルモ)」を開発・提供しています。
本提携により、PALTACが有する生活必需品の卸流通の3分の1をカバーする情報量と、フェズが有する国内最大級のリテールデータプラットフォームおよび高度なデータ分析・活用ノウハウとを掛け合わせ、メーカーから小売業までのサプライチェーンデータの統合を通じ、顧客への提供価値拡大と流通プロセスの最適化に取り組みます。
現在、人口減少に伴う国内市場の縮小や労働力不足、消費行動の変化、顧客ニーズの多様化などを背景に、サプライチェーンを取り巻く事業環境は複雑化しています。こうした環境下において、データに基づく事業戦略の立案や実行、効果検証の重要性は従来より高まっており、その成果を引き出す鍵となるのが、データの統合によるサプライチェーン全体の可視化です。
高度なデータ活用を実現するためには、統合的なデータ連携が不可欠ですが、現状では個社単位での局所的なデータ活用にとどまっています。こうした課題を踏まえ、両社の持つ強みを掛け合わせることで、データを活用したサプライチェーンのDXを共同で推進すべく、資本業務提携することを決定しました。
なお、フェズは資本業務提携に際し、第三者割当増資を実施し、PALTACがそのすべてを引き受けることにより、資金調達を実施しています。調達資金は、事業拡大のための人材採用や育成、プロダクト開発の強化などに投資予定です。
PALTACとフェズのデータ資産と分析力を融合することにより、店舗運営や販促施策の精度向上につながる実践的なサプライチェーンDXモデルの構築が期待されます。