株式会社Cellestは、デットファイナンスによる累計9.4億円の資金調達を実施したことを発表しました。今回調達した資金は、平常運転資金に加えて、ライブコマース専用のECモールアプリ「WABE」の開発・運営、マーケティング活動の強化、事業成長に伴う人員・設備投資の3つの取り組みに充てられる予定です。
Cellestは、2019年創業のスタートアップです。ライブコマース専門の事務所「セレスト」を運営し、「ぞうねこちゃんねる」「アヒルのライブマーケット」などのライブコマースチャンネルを展開しています。代表取締役CEOの佐々木宏志氏は会社設立前、国内でライブコマースが始まった2017年からライブコマースに参入しており、豊富な経験を有しています。
同社は2年にわたって開発を進めてきたライブコマース専用ECモールアプリ「WABE」を2025年4月にローンチし、さらなる事業拡大を進めています。2024年度の年間売上は前年比400%超と見込まれ、高い成長率を維持するために人員・設備への投資が必要となっています。具体的には、調達した資金をライブコマーサーおよびスタッフの採用・育成、ライブ配信スタジオを含むオフィスの移転・増床費用などに充当する計画です。
今回の資金調達では、紀陽銀行、京都銀行、徳島大正銀行、日本政策金融公庫 国民生活事業および中小企業事業、北國銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行の8機関から支援を受けています。資金提供元の金融機関からは、ライブコマース市場の成長性や将来性、Cellestの販売実績やノウハウに対する高い評価のコメントが寄せられました。
紀陽銀行の大阪堂島営業部 理事大阪堂島営業部長である談儀哲也氏は「ライブコマースの市場の成長性や将来性、またCellest様の販売実績やノウハウに魅力を感じ、今回ご支援させていただきました」とコメント。日本政策金融公庫の国民生活事業 大阪スタートアップサポートプラザ 所長代理江守百合佳氏も「同社は豊富なノウハウを有しており、トップランナーとして業界の成長を牽引する存在になると期待しています」と述べています。
中国ではすでにライブコマースが巨大市場を形成しており、日本でも急速に普及が進んでいます。ライブ配信を通じて商品の特徴や使い方を視聴者に直接伝えられる点が強みとなり、消費者と販売者の距離を縮める新たな小売形態として定着していくことが予想されます。
拡大が見込まれるライブコマース市場において、Cellestはライブコマーサーのプロデュースとマネジメントに加え、専用プラットフォームの提供によって業界のインフラ構築を目指しており、さらなる成長が期待されます。