株式会社三陽商会は、複数の婦人服ブランドを集約した複合型コンセプトショップ「SANYO Style STORE」を都内に初出店しました。大丸東京店にオープンした同店舗は、全国で9店舗目となります。
「SANYO Style STORE」は、三陽商会がターゲット市場としているアッパーミドル層向けの婦人服ブランド「AMACA」「EVEX by KRIZIA」「TO BE CHIC」「TRANS WORK」の4ブランド(店舗により3ブランド)を展開。季節ごとに各ブランドの主力商品を集約し、ブランドの垣根を超えた様々な商品とコーディネートの提案を行う店舗という位置付けです。ブランド単独店舗とは差別化し、店舗スタッフの意見を参考に、地域特性に合わせた商品を揃えています。

また、「SANYO Style STORE」では店舗試着サービス「TRY&PICK(トライ&ピック)」を強化。このサービスは、店舗およびECサイトの在庫を指定の店舗に取り寄せ、試着した上で購入が可能となるもので、2023年より各店舗で導入を開始しました。同一館内に取り扱いのない様々なブランドの取り寄せに対応し、三陽商会のOMOサービスの拠点としてECと店舗の連携を強化しています。
さらに、服を長く使用できるように補修受付カウンターを設置し、不用になった三陽商会製品の回収を行うなど、サステナブルな取り組みも展開。ハンガーには森林破壊や違法伐採から森林を守るため、適切に管理された木材が使われているFSC認証のものを使用し、床材に再生素材を選択しています。
近年、都市部の百貨店では高級路線へのシフトによるラグジュアリーブランドの展開拡大が顕著になっています。それに伴い婦人服売場は縮小傾向となり、特にボリュームゾーンの婦人服ブランドにとっては売場の確保と効率的な運営が課題となっています。また、ファッション業界では消費者の嗜好が多様化し、単一ブランドの店舗だけでは顧客の幅広いニーズに応えることが困難になってきました。
このような環境変化に対応するため、三陽商会は2023年3月に「SANYO Style STORE」1号店をを富山大和にオープンし、店舗数を増加させてきました。今後は都市部の百貨店への出店と並行しながら、百貨店以外の販路も含めた地方への出店も計画し、2027年度には全国20店舗の展開を目指すとしています。