株式会社ワークマンは、「#ワークマン女子」店を「Workman Colors」店に改名し、地方展開と男性客の取り込みを強化する方針を明らかにしました。戦略転換により、同社は年間40店舗のペースで「Workman Colors」の出店を加速し、7年半以内(2032年中)に400店舗体制を目指すとしています。最終目標として、既存店を合わせて日本最大の店舗網の構築を掲げています。
今回の改名の背景には、地方展開における課題がありました。同社は2024年秋の出店シーズンに人口3~8万人の地方都市を中心に「#ワークマン女子」の路面店11店舗を出店し、全店が全国平均の売上を上回る滑り出しを見せました。成功を受け、都会や商業施設内への出店から、本命の地方やロードサイド、フランチャイズ展開へと重点を移行していく方針です。
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一方、人口の少ない地方では、女性客への販売のみでは経営が成り立ちにくい面があります。「#ワークマン女子」の名称によって、女性客の新規取り込みに絶大な効果があったものの、男性物を扱っているかの質問が相次ぐ現状となりました。男性客も利用しやすい店名に変更することで、幅広い顧客層の獲得を狙います。
新名称「Workman Colors」店では、男女兼用品を除く男女比率を1:1に調整。従来の「#ワークマン女子」店では、女性向け商品が中心でしたが、今後は男性向けの「快適普段着」シリーズも強化していく方針です。派手なアウトドアウェアよりも、普段着の比率を高めていきます。
女子店は「Workman」既存店との性別による差別化の試みでしたが、Colors店では製品の専売化により、既存店と差を出す方向性です。流行を見極めた短納期生産のトレンドPB品ブランドとして、位置付けています。
ワークマンは、地方中心かつ男性客強化という独自路線については「アパレル業界主流から見ると『逆張り』の発想」という見解を示しつつ、新たな方針で差別化を図る意気込みを示しています。
なお、2025年2月20日には奈良県の新店Workman Colors桜井店と、既存店改装の3店舗を合わせて4店をオープンする予定です。これらを皮切りとして、6月中旬までにかけて、colors新店を25店オープン予定であり、今後も順次改装を進めていく方針です。
今回の戦略転換により、ワークマンは地方アパレル市場に新たな選択肢を提供することを目指しています。ワークマンの挑戦が、アパレル業界にどのような変革をもたらすか、引き続き注視していく必要がありそうです。