アドビは2026年5月1日、ブランド可視性分析プラットフォーム大手のSemrush Holdings, Inc.の買収完了を発表しました。
AIインターフェイスやAIエージェントが消費者のブランド発見・評価における主要な手段となりつつある現在、アドビはこの買収を通じて企業のブランド可視性向上とコンバージョン改善を支援する体制を大幅に強化します。
アドビの調査によると、米国の小売サイトへのAIトラフィックは2026年3月時点で前年比269%と急増しています。一方、多くの企業ではAI主導の環境におけるブランド可視性への対応が遅れているのが現状です。
こうした課題に対応するため、アドビは新たなエンドツーエンドのエージェント型AIシステム「Adobe CX Enterprise」を発表しました。同システムは、コンテンツサプライチェーン、顧客エンゲージメント、ブランド可視性向上を網羅するインテリジェンスおよびガバナンス層を備えており、断片化したシステムに分散するデータとコンテンツの統合を簡素化します。
Semrushの統合により、アドビは検索エンジン最適化(SEO)、生成エンジン最適化(GEO)、エージェント型検索最適化(ASO)のソリューションを強化し、中小企業からグローバル企業まであらゆる規模のマーケターを支援します。連携対象には、Adobe Experience Manager、Adobe LLM Optimizer、Adobe Commerce、Adobe Experience Platform(AEP)、Adobe Brand Conciergeが含まれます。
アドビの顧客体験オーケストレーション事業部門担当プレジデントのアニール チャクラヴァーシー氏は「ブランド発見やコマースのあり方は今まさに大きく変化している。変化に適応できないマーケターは、明日には顧客から見つけてもらえない存在となってしまう」と述べ、統合ソリューションの重要性を強調しました。
SemrushのCEOであるビル ワグナー氏も「アドビに加わることで、AI主導の世界におけるブランド可視性向上のためのプラットフォーム構築をさらに強化できると確信している」とコメントしています。
Semrushは17年以上にわたりマーケターを支援してきたプラットフォームであり、世界中で2,800万人以上のユーザーに利用されています。成長中のスタートアップからフォーチュン500企業まで幅広い顧客基盤を持つ同社の知見と、アドビのエージェント型webソリューションを組み合わせることで、異なるAIプラットフォームを横断したブランド可視性の確保と、自社プラットフォームにおける顧客との直接エンゲージメント強化という二つの課題に同時に対処します。
今後、Semrushの既存ユーザーは継続的な投資と拡張された製品ロードマップの恩恵を受けながら、エージェント型AI時代に対応した業界最先端のソリューションを利用できるようになります。

