決済インフラを手がけるStripeは、ECサービスを展開する従業員数1,000名以上の国内大企業を対象に、「エージェンティックコマース」への対応準備状況に関する調査を実施しました。
エージェンティックコマースとは、AIエージェントが商品の検索・比較・購入までを自動で行う新たな購買行動の形態です。Stripeはすでに、この分野向けのオープンスタンダードである「Agentic Commerce Protocol(ACP)」や「Agentic Commerce Suite(ACS)」を公開しており、直近ではAIエージェントが人間を介さず自動決済を行う「Machine Payments Protocol(MPP)」も発表しています。
認知度と影響予測
調査によると、エージェンティックコマースの言葉や概念を「知っている、または概要を理解している」と回答した企業は全体の約7割(70.3%)に達しました。日本国内ではまだサービスが展開されていない(2026年3月時点)にもかかわらず、概念の浸透が進んでいることが明らかになりました。
また、「今後3~5年でAIエージェントによる購買行動が自社業界に影響を与える」と予想する企業は約7割弱(65.3%)にのぼり、ビジネスモデルの変革を見据えた動きが広がっています。
導入検討状況
全体の約6割(57.5%)の企業が導入を検討していると回答。そのうち64.4%が3年以内の導入計画を進めており、1年以内と答えた企業も15.7%存在するなど、早期導入への意欲が見られます。
期待と課題
導入によって期待する効果としては、「自動化・業務効率化」(41.7%)と「購買率・売上向上」(41.5%)が上位を占めました。一方、導入に向けた整備事項として「セキュリティ対策」(40.7%)、「顧客データ基盤の整備」(34.5%)、「決済インフラの整備」(25.8%)などが挙げられています。
懸念点として最も多かったのは「社内の人材不足」(35.8%)で、経済産業省の推計では日本では中期的にAI人材が300万人以上不足するとされており、深刻な課題となっています。また、「AIの判断に関する信頼性・透明性」(34.2%)や「顧客データのセキュリティリスク」(33.5%)を挙げる企業も多く、信頼基盤の整備が急務であることが浮き彫りになりました。
受け入れられやすい商品カテゴリ
エージェンティックコマースが受け入れられやすいと思われる商品カテゴリとして、「日用品・消耗品」(33.0%)、「食品・飲料」(29.2%)、「サブスクリプションサービス(動画配信・音楽等)」(28.0%)が上位に挙がりました。少額かつ継続的な利用が想定されるサービスでの需要が高いことが分かります。
ストライプジャパン株式会社の代表取締役ダニエル・ヘフェルナン氏は、「人材不足やシステム連携といった課題を解消しながら、安全かつ透明性の高い形でAIを活用できる基盤の整備が、導入加速の鍵になる」とコメントしています。
本調査は2026年3月12日~17日にかけて、株式会社ネオマーケティングがネットリサーチ形式で実施しました。








