Rokt、Canalの買収により分散型コマース領域を強化

・RoktがCanal買収により、EC事業者向けサードパーティインベントリサービス「Rokt Catalog」を提供開始
・Canal保有の1,900の小売事業者・DTCブランドネットワークをRoktのAI技術と統合
・2024年に前年比40%超の売上成長を達成し、600百万ドル規模に拡大

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Rokt、Canalの買収により分散型コマース領域を強化

米国に拠点を置くEコマーステクノロジー企業Roktは、EC事業者のさらなる収益源の拡大を支援するために、2025年7月17日付けでCanalを買収し、提供サービスの拡充を実施したと発表しました。

この戦略的な買収により、EC事業者は製造や物流、在庫の管理といった負担なく、自社のオンライン直販事業を持つブランドの商品在庫(サードパーティインベントリ)から、キュレーションされたネットワークを活用し、顧客に対して最適な商品を展開することが可能となります。今後Canal社のソリューションは、Roktのプロダクト群の中で「Rokt Catalog」のブランド名で提供されます。

今回の統合により、Roktが提唱しているトランザクション・モーメントにおいて買い物客に対し提示を行う関連性の高いパーソナライズされたオファーの領域を拡大し、EC事業者の収益拡大と、消費者のユーザ体験の最大化の幅を広げていく考えです。

この買収により、Canalが持つ分散型コマースがRoktのネットワークやAI・機械学習を搭載したRokt Brainと完全に補完し合うことで、広告主ブランドがプレミアムかつ成果重視の流通チャネルを通じて新規顧客を獲得することを可能にします。

「Rokt Catalog」では、Rokt Brain(RoktのAI・機械学習による「関連性」エンジン)により高度に制御されているトランザクション・モーメント内でのレレバンスと収益性を向上させる体験の中において質の高い第三者製品を提供することで、Rokt Pay+やAftersell by Rokt、Rokt Thanksといったeコマース事業者向けプロダクトの新たな価値を拡充します。

Canalのネットワークには、Macy's、SHEIN、Anine Bing、True Classic、Jonathan Adler、3.1 Phillip Lim、Uncommon Goodsなど、1,900の主要な小売事業者とDTCブランドが含まれています。

今回のCanal買収も含め、Roktは堅調な事業拡大を続けています。2024年に前年比40%を超える売上成長を遂げ、600百万ドルに達する見込みであり、mParticleとAftersellの買収も実施しました。

Roktの大規模ネットワークは、2025年内に数千社のEC企業において75億件を超える取引を処理し、販売事業が顧客にシームレスな顧客体験を提供しつつ、顧客に表示可能なオファーの種類を管理できるようにするとしています。

《Commerce Innovation編集部》

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