EC向け積立決済SaaS「Respo(リスポ)」を提供する株式会社リスポ(所在地:東京都港区、代表取締役:鞍田龍平)は、プレシリーズAラウンドのファイナルクローズを終え、1stクローズと合わせて累計2億円の資金調達を完了したと発表しました。
今回のラウンドでは、農林中金キャピタル株式会社、グローバル・ブレイン株式会社とShinhan Venture Investment Co.,Ltd.が共同で運営する新韓-GBフューチャーフロー投資事業有限責任組合、かんぽNEXTパートナーズ株式会社が運営するJP LIFE NEXT1号投資事業有限責任組合、沢田秀太氏(株式会社ベストワンドットコム 代表取締役会長)を引受先とする第三者割当増資を行いました。
同社は今後、積立決済(Save Now Buy Later)の市場創出をさらに推進し、導入企業の拡大、業界横断的な展開、マーケティング活動の加速を図っていく方針です。
■積立決済(SNBL)が注目される背景
近年、消費者が事前に資金を積み立てることで商品やサービスを購入する「Save Now, Buy Later(SNBL)」がFinTech業界で再注目されています。積立決済(SNBL)は、「Buy Now, Pay Later(BNPL)」つまり後払い決済とは異なり、負債を伴わない購入モデルとして評価されています。
EC市場は引き続き拡大を続ける一方で、競争環境は一段と厳しさを増しています。多くの事業者がオンライン販売を強化する中、広告費の高騰によって新規顧客の獲得が難しくなり、既存顧客へのアプローチを重視する戦略が必要とされています。
このような状況下で、「積立決済」のような新しい購入モデルは、持続可能な消費を志向する消費者に支持され、今後のEC市場において重要な役割を果たすと期待されています。
積立決済(SNBL)は、消費者が毎月の積立を通じて計画的に支払いを行い、その積立金を利用して商品を購入できる仕組みです。この仕組みにより、経済的な不安を軽減し、持続可能な消費行動を促進します。特に若年層や経済的に慎重な消費者層の間で、積立決済(SNBL)の需要が高まっています。
メーカー側にとっても、消費者が特定の商品やサービスに積立を行うことでロイヤルティが向上し、顧客との長期的な関係構築につながる点が注目されています。また、負債リスクを低減することで社会的責任を果たす手段としても、積立決済(SNBL)が支持されています。
■資金調達の目的と今後の展開
今回調達した資金は、主に以下の用途で活用されます。
・ユーザー体験の向上に向けた製品改善および機能拡充
・導入企業のさらなる拡大に向けたマーケティング施策の強化
・多様な業界への展開を見据えた営業活動の推進
現在すでに、家電・家具/インテリアなどの高額商品を扱うEC事業者を中心に導入が進んでいます。今後は旅行、ファッション/アパレル、コスメ、アウトドア用品、コレクター向け商品など、新たなカテゴリーへの展開を予定しています。
「積立購入」という選択肢が一般化することで、消費者にとっては計画的かつ健全な購買が可能となり、EC事業者にとってもLTV(顧客生涯価値)の向上やこれまでリーチできなかったユーザー層の開拓につながります。
同社は「積立決済という新しい購買スタイルの社会実装に向けて、事業成長を加速していく」としています。