LINEヤフー、BEENOSを買収し越境EC強化へ 「LINE」アプリとの連携も視野

・LINEヤフーがBEENOSを公開買付けで完全子会社化へ
・買付価格は1株4,000円、総額約540億円の大型買収
・越境ECを中心に新たな事業シナジーを推進

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LINEヤフー、BEENOSを買収し越境EC強化へ 「LINE」アプリとの連携も視野

LINEヤフー株式会社は、BEENOS株式会社を完全子会社化することを目的とした公開買付け(TOB)の実施を発表しました。買付価格は1株あたり4,000円で、買付予定数は13,452,923株、買付代金の総額は約540億円に上ります。公開買付けの期間は、2025年2月末開始を目指していますが、詳細な日程は決定次第発表されます。

BEENOSは、人・モノ・体験を「日本から海外へ」「海外から日本へ」と双方向に繋ぐ架け橋となるグローバルプラットフォームを、企業や個人に提供することで国境を越えたビジネス展開を支援する企業です。特に、BEENOSの子会社tensoが運営する海外居住者向け商品の購入サポートサービス「Buyee」は、日本国内の商品と海外からの購入者をつなぐ越境ECプラットフォームとして重要な役割を果たしています。

今回のBEENOS買収により、LINEヤフーは越境ECを中心とした新たな事業シナジーの推進を目指しています。具体的には、LINEヤフーが提供する各コマースサービスを通じて、海外で需要が高い国内商品の販路を拡大していく計画です。タイなど東アジアの一部で利用率が高い「LINE」との連携も視野に入れており、海外ユーザーへのアプローチ強化を見込んでいます。

また、BEENOSの越境EC市場におけるノウハウや知見を活用し、両社が共同マーケティング活動を展開することで、BEENOSの「Buyee」をはじめとするサービスとLINEヤフーのサービス間でさまざまなシナジー効果が想定されます。加えて、LINEヤフーが提供する各サービスと、BEENOSが展開するエンターテインメント事業との連携も検討中です。

両社は双方の事業を連携させることにより、企業価値向上を図る考えです。BEENOSの取締役会は、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、株主および新株予約権者に対して応募を推奨する決議を行いました。LINEヤフーグループの一員となることで、グローバルな顧客基盤とメディア機能、集客機能を補完できるという見解を示しています。

LINEヤフーはBEENOSの日本と世界をつなぐ知見を最大限活用し、世界のユーザーへのサービス提供を強化していく方針です。EC市場のグローバル化が進む中、両社の強みを生かした事業展開が注目されます。

《Commerce Innovation編集部》

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