アインホールディングスは、さくら薬局グループを子会社化すると発表しました。株式取得は、特別目的会社である株式会社NSSK-Wの持株会社である株式会社NSSK-WWの全株式を取得する形で行われます。NSSK-WWはさくら薬局グループの持株会社であり、その傘下にクラフト株式会社やさくら薬局株式会社などの事業会社があります。取得価額は約591億円で、2025年8月に株式譲渡を完了する予定です。
さくら薬局グループは首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)や関西圏(大阪、兵庫)、東海地方(愛知、静岡)など人口集中エリアを中心に約800店舗を展開する業界大手の調剤薬局チェーンです。「さくら薬局」ブランドで調剤薬局事業を展開しており、クラフト社を中心とするグループ企業で構成されています。
一方、アインホールディングスグループは全国に調剤薬局チェーンを展開しており、積極的な新規出店のほか、M&Aを活用した事業拡大を図っています。また、医療機関と連携した在宅対応や継続的な服薬管理、「かかりつけ薬剤師・薬局」機能の強化など、地域に密着した医療サービスの提供に取り組んできました。
今回の買収により、アインホールディングスグループの調剤薬局店舗数は2000店舗を超える規模となります。両社の事業ノウハウを融合することで、患者および地域医療に対するサービスの充実を実現し、全国の地域医療のインフラとしてグループの企業価値を高めていくとしています。
調剤薬局業界では、高齢化社会の進展に伴う医療費増加抑制策として、調剤報酬改定などの影響を受ける中、経営効率化や規模の拡大による競争力強化が求められています。大手チェーンによる中小薬局の買収・統合が進む中、今回のM&Aは業界再編の流れをさらに加速させる可能性があります。