セブン&アイ、ACT社の買収提案撤回を受け見解発表 単独での企業価値創出へ

・セブン&アイがACT社の買収提案撤回を受け見解を発表。
・提案後、世界経済や為替水準、金融市場に大きな変化があった。
・2030年度末までに約2兆円の株主還元を目指し、北米コンビニ事業のIPOなど独自施策を継続する方針。

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セブン&アイ、ACT社の買収提案撤回を受け見解発表 単独での企業価値創出へ

(画像はイメージ)
セブン&アイ・ホールディングス株式会社は7月17日、アリマンタシヨン・クシュタール社(ACT社)が同社との協議を一方的に終了し、買収提案を撤回する決定を下したことを受け、特別委員会による見解を発表しました。

セブン&アイによると、ACT社の決定については不本意で、リリース上の誤った記述については賛同しかねるものの、想定され得たものとして受け止めているとのことです。同社は、ACT社が最初に提案を行って以来、世界経済や為替水準、金融市場に大きな変化があったと指摘。ACT社も直近の決算発表で、世界各国の主要市場環境が2024年から停滞しているとの認識を示していることに言及しました。

特別委員会は、株主利益に資する実現可能な取引を目指し、ACT社と誠実かつ建設的な協議を進め、米国独占禁止法上のハードルについても真摯に向き合ってきたと説明しています。承認プロセスに係る非常に長期にわたる時間軸を含めた課題についても検討を重ねていました。

セブン&アイは、検討プロセスにおいて株主およびその他のステークホルダーの価値最大化を確実にするため、ACT社による提案と単独での価値創造施策のすべての選択肢を並行して追求してきたとしています。今後も北米のコンビニエンスストア事業を含む同社グループ事業の価値顕在化による、単独での価値創造施策を継続して遂行していく方針です。

具体的な計画として、スーパーストア事業の戦略的パートナー招聘に伴う資本回収および、北米コンビニエンスストア事業のIPOによって、2030年度末までに約2兆円の自己株式取得を通じた株主還元の遂行を目指すとしています。加えて、中長期的な成長に向けて主要事業における業績の早急な改善に向けた取り組みにも注力していく考えを示しました。

ACT社の買収提案撤回に伴い、セブン&アイは自社主導での企業価値創出へと舵を切る構えです。外部資本に依存せず、株主還元と成長投資の両立を図ることになり、今後の動きが注視されます。

《Commerce Innovation編集部》

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