電算紙株式会社は、改ざん不能な二次元コード印刷サービス「DCDM（dual code distribution management）」の提供を開始しました。高品質な日本製品の偽造被害は多発しており、偽造を防止する仕組みまでコピーされるという被害も起きています。同社は偽造問題を解決すべく研究を重ね、「DCDM」を開発しました。
「DCDM」の仕組みとは
「DCDM」は、スマートフォンのカメラでスキャンするだけで、製品が本物であるか確認できる、独自の印刷技術を活用した二次元コードの印刷サービスです。2種類の読み取り波長とブロックチェーン技術を活用することで、製品の真贋判定や偽造防止を可能にします。
2種類の読み取り波長
可視光で読み取れるQRコードと、紫外線照射により判読可能なDataMatrix（データマトリクス）、それぞれ異なる2種類の読み取り波長を用いることで、偽造を防ぐ仕組みを提供します。（※QRコードは株式会社デンソーウェーブ、DataMatrixは米国インターナショナルデータマトリックス社の登録商標）
流通管理と、消費者の真贋（しんがん）判定には、可視光で読み取れるQRコードを使用します。紫外線照射で判読可能なDataMatrixは、偽造防止の仕組みそのものをコピーする悪質な手段から製品を守ります。また、このDataMatrixは、製造企業のみが真贋判定を実施でき、内容を読み取ろうとする者の追跡が可能です。
流通情報管理にブロックチェーンを活用
ブロックチェーンを活用することで、改ざん不能な流通管理を実現し、製品の真正性を担保します。QRコードは常に見える状態にあるため、出荷時や流通の各時点において、流通情報を追加して記録することが可能です。
この流通情報をブロックチェーン上に置くことにより、書き換えが事実上不可能となり、真正性の担保が完全なものとなる仕組みです。
「DCDM」の特徴
多様な形状
「通常のシール」のほか、剥がすと文字が浮き出る「転着セキュリティータイプ」や、剥がそうとすると簡単に破損してしまう「易破壊セキュリティラベル」を用意しています。
箱にDCDMを印刷する場合は任意の場所を選定することが可能です。アパレル関係の製品では、織ネームタグとして縫い付けたり、二層構造の合紙タグを製品に取り付けたりと、最適な形態で活用できます。
シンプルな構造で安価
流通途中での読み取りを防ぐための複雑な構造が不要で、構造がシンプルであることから、安価で提供できます。流通情報には汎用的なQRコードを用いるため、読み取り機器もソフトも汎用性の高いもので構築でき、低い導入コストで実装することが可能です。
電算紙は、本サービスの提供開始に合わせて公式ホームページをリニューアルしました。これからも印刷の概念をアップデートし、時代のニーズに応える取り組みを展開していく意向を示しています。
