株式会社アイスタイルは、「@cosme」のアプリに、スマートフォンで素顔の写真を撮影するだけで皮脂中に含まれるRNA発現情報に基づく肌タイプを即時に推定できる「肌遺伝子モード判定」技術を、「お肌のケアどき診断」として搭載しました。
このサービスには、花王株式会社およびパーフェクト株式会社の技術が活用されています。花王の新技術を用いると、従来RNAを直接採取・解析するのに必要だった時間やコストを大幅に削減し、場所を選ばず素顔のスマートフォン撮影画像を解析するだけでRNA発現情報に基づく肌タイプを推定できます。

「肌遺伝子モード判定」では、ユーザーが撮影した素顔写真を花王独自のAIが統計的に解析し、現在の肌状態を「C1(つるつる期)」と「C2(ぴかぴか期)」の2つに分類します。、「お肌のケアどき診断」では、肌タイプごとに最も効果的なケアポイントを1つ診断します。

DNAは変化しない情報であるのに対し、RNAは環境要因によって日々変化するため、撮影時点の肌状態を知る参考となるものです。花王はあぶらとりフィルムによる皮脂中のRNA採取で肌状態を調べる「皮脂RNAモニタリング」を通じて2,848名分のデータを蓄積し、AIにより推定モデルを構築しました。

アイスタイルの過去の調査によると、同じ化粧品でも肌遺伝子モードによって評価が異なるケースが確認されており、例えばあるアイテムについて、「つるつる期」のユーザー評価が6点だったのに対し、「ぴかぴか期」のユーザー評価は4点と、2点の差が見られました。
本技術は、2022年3月からアイスタイルと花王が共同で開発を進めてきたもので、「RNA共創コンソーシアム」の取り組みの一環です。このコンソーシアムは、ビューティ&ヘルス産業のサステナブルな発展を目指し、「皮脂RNAモニタリング」技術を核としたビジネス共創を推進しています。
現在の美容市場では、デジタルメディアやSNSの普及により情報があふれ、消費者が「何が自分に合うのか」を判断するのが難しくなっています。また、ESGへの配慮が求められる中、需給バランスのアンマッチによる商品廃棄も業界課題となっています。
アイスタイルは今後も、花王をはじめとするRNA共創コンソーシアム参画企業と共に、消費者が自分に合う商品を選択できる新たな仕組みの構築や次世代サービス開発を推進していく方針です。この新技術の導入により、小売業界では消費者の肌質に合った商品提案が可能になり、顧客満足度向上と商品破棄の低減に貢献することが期待されます。