株式会社アオキスーパーは、同社が運営する「ショッピングセンターアズパーク」にWHILL株式会社の近距離モビリティWHILLを導入し、従業員向け福利厚生制度としての活用を同時に実施します。
今回の取り組みは、国内の65歳以上人口が全体の3割に迫る中、長距離歩行が困難な高齢者への対応と、働く世代の介護負担軽減を目的としています。2024年4月からの合理的配慮義務付けや、2025年4月の育児・介護休業法改正など、社会制度の変化も背景にあります。
まず、顧客向けの対応として、ショッピングセンターアズパークに「WHILLモビリティサービス」を導入します。このサービスは現在全国80カ所以上で採用されており、専用レンタルアプリから簡単に借りられるほか、サービスカウンターでの有人対応も可能です。利用者は足腰や体力を気にせず、走破性と小回り性能に優れたWHILLで快適な買い物体験を楽しめます。
一方、従業員向けには「WHILL福利厚生パッケージ」を東海地方で初めて導入します。このパッケージは、従業員やその家族の健康維持と介護負担軽減を目的とし、経済面での負担を抑えながら柔軟にWHILLを生活に取り入れることができる制度です。

高齢化により、現在の労働者は2人に1人以上が仕事をしながら親や家族の介護に携わっているというデータもあり、増加している介護離職を防ぐ対応策でもあります。高齢家族の移動手段や介護などを巡る不安を解消し、同時に、障がいがある従業員への配慮など企業全体のダイバーシティ理解の促進にも取り組みます。
WHILL社は2012年5月に日本で創業し、「すべての人の移動を楽しくスマートにする」をミッションとして、約30の国と地域で近距離移動のプロダクトとサービスを展開しています。同社の主力事業は、高いデザイン性や操作性が特徴のWHILL開発・販売と、気軽な移動体験を提供するモビリティサービスです。
アオキスーパーは1941年に青果小売店として創業して以来、愛知県を地盤に店舗展開を続け、2025年6月に創業84年を迎える老舗企業です。同社は次世代を見据えた施策として、ディスプレイ付き販売ロボットの店舗導入やレジ専用椅子の全店配備など、革新的な取り組みを積極的に実行しています。

小売業界では高齢化の進展や人手不足により、アクセシビリティ向上と従業員の働きやすい環境整備が重要な課題となっています。今回の協業は、顧客サービスの向上と従業員福利厚生の両面からこれらの課題に取り組む事例として、他の小売企業にも影響を与える可能性があります。