株式会社ベルクは、カスタマーハラスメント対策の一環として、2025年2月より全店舗で従業員の名札を変更し、店内接客時には名前を表示をせずに「STAFF」の表示のみにしたことを発表しました。この取り組みは、近年社会問題となっているカスハラやネットストーカーから従業員を守り、安心して働ける環境を整備することを目的としています。
ベルクが2024年に実施した従業員へのカスハラ実態調査では、全体の36%の従業員がこれまでに理不尽な暴言や叱責、大声で怒鳴られるなどのカスハラを受けた経験があると回答。さらに、名札に名前が表示されていることで嫌な思いをしたことがあるかという質問には、全体の23.6%が「ある」と回答し、特にチェッカー(レジ)部門では責任者の52%が「ある」と答えました。

これらの調査結果を受けて、ベルクは昨年11月より10店舗で名札の名前非表示の運用を開始。先行導入した結果、従業員の97%がこの取り組みを支持すると回答しました。また、チェッカー部門の67%、従業員全体の57%が「精神的負担の軽減を実感した」と答えています。

一方で、「批判的な指摘があった」との回答は2%にとどまり、大半の顧客に受け入れられていることがうかがえます。カスハラ問題への企業の対応に理解が広がっていることも推察される結果となりました。ベルクでは、今後もフレンドリーな接客を心掛けながら、従業員の接客スキル向上に向けた社内教育を強化していく方針です。
また、カスハラ対策として「カスタマーハラスメントに対する行動方針」を掲げ、店内にポスターを掲示するとともに、管理者向けの教育や相談窓口の拡充を進めてきました。
ベルクは、身だしなみの緩和や今回の取り組みを通じて、従業員が自分らしく、より安心して接客に集中できる環境づくりを進めています。今後も、顧客へのサービス向上と働きやすい職場づくりを両立し、快適な店づくりに取り組んでいくとしています。