三菱食品とPALTAC、持続可能な物流構築に向けて異業種連携を開始

・三菱食品とPALTACが物流効率化で基本合意
・既存拠点の活用や共同配送など4テーマで協議へ
・業界の垣根を超えた連携で物流の持続可能性向上目指す

企業 資金調達/M&A/提携
三菱食品とPALTAC、持続可能な物流構築に向けて異業種連携を開始

三菱食品株式会社とPALTAC株式会社は、持続可能な物流の構築と両社の物流事業拡大に向けて、連携および協働に向けた基本合意を締結しました。

両社は、それぞれ食品業界と日用品等業界の中間流通におけるリーディングカンパニーとして全国規模で事業を展開しています。これまで食品と日用品では異なるサプライチェーン・物流網が構築されてきましたが、労働人口の減少や2024年問題などにより、従来の方法では全国の流通網を維持することが困難になりつつあります。

両社の販売先には共通点が多く、配送先はドラッグストアやコンビニエンスストア、スーパーなどの小売り店舗や物流拠点です。両社は業界の垣根を超えて連携および協働し、物流効率化を図ることが国内物流業界の持続可能性を高める一助になるとの共通認識に至りました。

今後、持続可能な物流の構築・実現のために、両社の持つ物流資産やノウハウの相互利活用について具体的に協議・検討していきます。連携の対象分野としては、「既存物流拠点の活用」「共同配送の推進」「共同物流センターの検討」「物流DXの共同研究」という4つの協業テーマを定めています。

両社は、三菱食品376拠点、PALTAC23拠点に及ぶ既存物流拠点の有効活用や共同配送により、一企業や業界別では成し得なかった効率化に取り組みます。1日あたりの配送車両は三菱食品が7,600台、PALTACが1,500台を稼働させており、共同配送を実施することで、車両9,100台のネットワークが構築されます。さらに、将来の物流を見据えた新しいサプライチェーンモデルの開発や物流DXの実現に向け、両社が人材を投入してチャレンジしていく方針です。

三菱食品は2024年5月に公表した経営ビジョンに基づき、デジタル技術を活用したサプライチェーン全体の効率化と生産性向上を促進しています。今回のPALTACとの取り組みは、成長戦略における「SCM機能強化(サステナブルSCM構築)」に資する重要な取り組みの一つとして位置づけられています。本連携により、両社は従来の食品卸や日用品卸の枠にとどまらない価値創造に取り組み、物流業界全体の持続可能性向上に貢献していく考えです。

《Commerce Innovation編集部》

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