楽天グループ株式会社とAWL株式会社は、小売店舗を対象とするAI技術を活用したサイネージソリューション「楽天安心サイネージ」の申込受付を2025年6月4日から開始しました。
「楽天安心サイネージ」は、AIカメラとデジタルサイネージを組み合わせ、店舗内の万引きを抑止するとともに来店者に応じたプロモーションを提供するソリューションです。スーパーマーケットやドラッグストアなどの小売店舗向けに、開発されました。
万引き抑止機能としては、店内に設置するカメラにより万引き行為が特定された対象者をリスト化し、一定の条件を満たした場合にAIを活用した顔認識技術を用いて警告などを実施します。
販売促進機能では、サイネージカメラの映像をもとに、性別や年齢層など来店者の属性をAIにより識別。属性に合わせた特売情報や新商品のプロモーション情報などを配信します。また、通行者数や視聴者数、視聴時間、属性などのデータを蓄積・分析することで、顧客層に特化した商品のプロモーションが展開でき、効率的な売上向上を狙うことが可能です。
導入時にカメラやサイネージの費用、工事費などの負担は必要ありません。月額料金のみのシステムのため、初期投資を抑えることができます。導入後も外部監視ツールによりシステムが正常に稼働しているかを24時間監視しており、不具合が起きた際には遠隔または現地での調査や整備などの保守管理行います。
両社は2021年から共同でAI技術を活用した事業開発に取り組み、小売店舗での販売促進に向けた様々な実証実験を行ってきました。特に小売業界において近年、万引き被害が深刻化しており、店舗の利益を圧迫する要因となるだけでなく、従業員の安全や顧客からの信頼にも影響を及ぼす問題となっていることに注目。株式会社サッポロドラッグストアーの協力のもと、ドラッグストア「サツドラ」の一部店舗で実証実験を行い、防犯ノウハウなどの共有を受けました。
万引き被害に対して、従来の人的な方法だけでは限界があり、テクノロジーを活用した効率的な対策が求められています。「楽天安心サイネージ」は、防犯対策と売上向上を統合的に解決するものであり、小売店舗の収益性改善に貢献することが期待されます。
