株式会社ファミリーマートは、2025年度春季労使協議において、3年連続となるベースアップの実施を決定しました。これに伴い、月例給の改定および初任給の引き上げが行われます。
同社は賞与を含めた年収ベースで、組合員平均8.9%の増額を実施します。ベースアップは若年層に傾斜配分され、定期昇給と合わせて月例給で約3.7%のアップとなります。この改定は2025年3月度から適用され、正社員組合員約4,300名が対象です。
また、2025年4月入社の大学卒新入社員80名を対象に、初任給を15,000円引き上げ、260,000円(東京勤務の場合)に改定することも決定しました。
ファミリーマートは、「金利のある世界」への移行や継続する物価高の状況下で、社員が安心して働ける環境を整備し、モチベーションアップを図る方針です。これにより、加盟店とともに全社員が一体となって収益拡大を目指すとしています。
今回の賃上げは、小売業界、特にコンビニエンスストア業界における人材確保と待遇改善の動きを反映したものと見られ、政府が推進する賃上げ政策とも合致しています。物価上昇が続く中で、従業員の生活支援により企業の競争力強化を図る取り組みとして、業界への影響が注目されます。