ECマーケットデータを提供する株式会社Nintは、EC事業に携わる担当者から経営層まで100名を対象に実施したアンケート調査「EC業務のAI活用 実態調査 2026」の結果を公開しました。調査からは、生成AIの個人利用はすでに定着した一方、業務プロセス全体をAIに任せる段階にはまだ多くの企業が到達していない実態が浮かび上がりました。
個人のAI利用は「ほぼ毎日」が7割超
生成AIの利用頻度を尋ねたところ「ほぼ毎日」と回答した人は71%にのぼり、「週に数回」まで含めると93%に達しました。一方で「使ったことがない」との回答はわずか1%にとどまり、個人レベルでは生成AIの活用がすでに一般的になっていることがうかがえます。
業務の自動化は32%、個人と業務の間に断層
個人利用が93%に達する一方、集計やレポート作成、監視といった業務プロセスをAIに任せる「開発系AIツール」の利用は32%にとどまりました。裏を返せば約6割の企業が業務のAI化にまだ着手できていない計算になり、個人利用と業務活用の間に大きなギャップが存在することが分かりました。
定型業務に週5時間以上を費やす人が半数
集計・レポート・調査といった定型業務に週5時間以上を費やしていると答えた回答者は51%で、うち10時間以上との回答も24%を占めました。時間を取られている業務の上位は、データの集計・転記が37%、社内向け報告・会議資料の作成が36%、売上・実績レポートの作成が31%という結果になりました。
戦略立案に手が回らないという声も
「重要だと分かっているのに手が回っていないこと」を尋ねた設問では、競合・市場データを活かした戦略立案が68%でトップとなりました。以下、新商品・新チャネルの開拓が54%、顧客データの分析・活用が45%と続いており、日々の業務対応に追われて戦略的な業務が後回しになりやすい状況が浮き彫りになっています。
AI・デジタル投資を断念した経験は48%
AIやデジタル投資を断念した経験があると答えた人は48%でした。断念の理由としては「費用対効果が読めなかった」「費用が高かった」がそれぞれ半数を占め、技術面よりも経済合理性が投資判断の壁になっていることが示されています。小さく始めて効果を検証できる導入形態であれば、こうした課題を乗り越えられる可能性もありそうです。

