株式会社シナブルは、月1回以上ECサイトを利用する20~50代の男女1,030人を対象に、「ブランドの公式ECサイトにおける商品検索にかける時間と購入意欲の関係」に関する実態調査を実施しました。
ブランドの公式ECサイトで商品を探す際、最もよく使われる手段は「検索窓でキーワード検索」が74.6%と圧倒的多数を占めました。「カテゴリやメニューから探す」は39.0%、「閲覧履歴や購入履歴から探す」は24.7%となり、ユーザーは能動的にキーワードを入力して商品を探している実態が明らかになりました。
検索機能の利用頻度については、約9割が「毎回使う(52.4%)」「ときどき使う(41.3%)」と回答。ブランドの公式ECサイトでの購買行動において検索は主流となっており、特に約半数が毎回使用していることから、検索機能の使いやすさがサイト全体の利便性評価に直結する可能性が高いといえます。
しかし、検索窓に何回くらい入力し直すかを尋ねたところ、「5回以上(10.1%)」「3~4回程度(35.4%)」「1~2回程度(47.7%)」という結果になりました。1回の入力で目的の商品に到達できている方は1割未満にとどまり、大多数が複数回の再検索を余儀なくされている現状が浮き彫りとなりました。
再検索が必要になる理由については、「期待した検索結果が出なかった(56.5%)」が最多で、「検索結果が多すぎて絞れなかった(51.8%)」「検索結果が少なすぎて、十分な情報が得られなかった(22.7%)」と続きました。検索精度の問題に加え、ユーザビリティの課題も多く見られ、単にキーワードにヒットさせるだけでなく、ユーザーの意図をくみ取った適切な絞り込みや表示順の最適化が求められています。
こうした検索体験は、ユーザーの心理にどのような影響を与えているのでしょうか。「ブランドの公式ECサイトで検索しても目当ての商品が見つからない、または時間がかかるとどのように感じるか」と尋ねたところ、「不便だと感じる(39.6%)」が最多で、「検索ワードを変えて再挑戦しようと思う(29.5%)」「イライラする(25.1%)」となりました。
約3割が「再挑戦しようと思う」と回答したものの、約4割が「不便」と感じ、4人に1人が「イライラ」するという結果は、検索体験の質がユーザーの感情にダイレクトに影響することを示しています。さらに、約2割が「他のECサイトで探そう」と考えており、検索のストレスは単なる満足度の低下にとどまらず、競合他社への顧客流出を引き起こすことが懸念されます。
ブランドの公式ECサイトの検索に対する不満点については、「検索結果が多すぎて目当ての商品を探せない(36.9%)」が最多で、「表示されるおすすめが的外れ(20.8%)」「表示される商品の並び順がわかりづらい(19.3%)」となりました。多くのブランドの公式ECサイトにおいて、商品を整理して提示する機能が不足していることがうかがえます。
最も重要な点として、「ブランドの公式ECサイトでの検索体験が悪かったことで、実際に購入を諦めた経験はあるか」と尋ねたところ、約6割が「よくある(9.2%)」「たまにある(53.7%)」と回答しました。検索機能の不備が単なる「使い勝手の問題」を超え、直接的な「売上の損失」につながっていることが明確に示されています。
実際に目当ての商品が見つからなかった場合の行動については、「他のECサイトを使う(47.9%)」が最多で、「検索ワードを変えて再挑戦する(46.4%)」「購入を諦める(22.1%)」となりました。一度検索に失敗すると、約半数のユーザーが見切りをつけて競合ECサイトへ流れてしまうという事実が明らかになりました。






