株式会社ニトリホールディングス、XYZ Robotics株式会社、株式会社ホームロジスティクスは、2025年6月下旬よりホームロジスティクスが運営する幸手DCにおいて、XYZ Roboticsが開発したデバンニングロボット「RockyOne(ロッキーワン)」の実証実験を開始したと発表しました。
物流の現場では、庫内のマテリアルハンドリングや倉庫管理システムなどの自動化が進んでいるものの、負担が大きいコンテナのバンニングやデバンニング作業は人が担っており、労働環境の改善が課題となっています。今回の実証実験は、特に重労働であるデバンニング作業の自動化を通じて、労働環境の改善と省人化による生産性向上を目指して実施されます。
ニトリグループでは、2025年度実績で年間15.5万TEUもの輸入コンテナを取り扱っており、コンテナの大半を自社倉庫で保管するために日々デバンニング作業を実施しています。大量の家具や雑貨類のデバンニング作業を担当するのは5~6名の1チームとなり、特に夏場はコンテナ内の温度が非常に高温になるため、労働環境には一定の負担が伴います。
実証では、AIカメラによる自動判別とモーションプランニング技術を活用し、ロボット単独でのデバンニング作業を想定しています。従来は5~6名で行っていた荷降ろし作業を、ロボットと積み付け作業員3~4名で実施できるかを検証します。必要人員が減り、過酷な労働環境をロボットが代替することで、労災リスクの低減が期待できます。
さらに、作業員が集まりづらい夜間帯にも稼働できるため、在庫補充作業の効率化やバース回転率の向上も見込まれます。ホームロジスティクスとXYZ Roboticsは、約1ヶ月にわたる実証実験で得られる知見を活かし、さらなる自動化・効率化や、業界全体の課題解決にも取り組んでいく方針です。
各社は今後も、最先端技術の活用と現場課題の解決を通じて、より効率的で持続可能な物流体制の構築を目指すとしています。人手不足と労働環境の改善は喫緊の課題であり、今回の取り組みが業界全体の自動化推進に向けた一歩となることが期待されます。