西鉄ストアとマインディア、口コミや購買データからAIでPOP作成 売上増加の成果

・AIでPOP自動生成
・カレーカテゴリ売上増
・NRF APAC 2024で発表

テクノロジー その他
西鉄ストアとマインディア、口コミや購買データからAIでPOP作成 売上増加の成果
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株式会社西鉄ストアと株式会社マインディアは、一般社団法人リテールAI研究会の研究活動の一環として、ECサイトに投稿された口コミ(レビュー)・購買データを元にPOPをAIで生成する協業を行い、新しい売り場づくりと需要の掘り起こしにおいて一定の成果を得たことを明らかにしました。

リテールAI研究会は、加盟会員社が特定のテーマに沿ってAI実用化実験等の研究活動を実施しています。今回の協業は、マインディア保有のEC購買データ、オンライン行動データのオフラインリテール活用を目的に、2024年1月に西鉄ストア、マインディア、リテールAI研究会の3社で開始されました。

実際の流れとして、まず西鉄ストアのID-POSデータをAIで解析し、顧客層の特性と購買傾向を解明。結果から、潜在需要が見込めるカレーカテゴリと韓国のりを対象商品に選定しました。次に、マインディアが保有するEC口コミ・購買データをAIで解析し、評価の傾向を特定。見込み客の特性をもとに自動生成されたPOPを、2024年4月24日から5月21日の4週間、福岡県内の西鉄ストアの店舗「レガネット 牛頸」と「レガネット 東郷」で展開しました。

結果として、実験店舗におけるカレーカテゴリの対象SKU売上構成比が、全店平均を6.5ポイント上回る67.5%に到達。また、カレーカテゴリの売上が、前年対比105.5%(全店平均の+0.9ポイント)に増加しました。

多くのスーパーでは工数の観点から、重点商品に限定してPOPを付けています。定番品は価格訴求が中心となりがちで、利益を圧迫する要因でした。一方、メーカー側は、多大な広告費や販促費を用意できない場合、価値ある商品でも認知の機会が作れず、新規のユーザーを獲得するのが困難であるという問題を抱えています。消費者にとっても、メーカー・小売店の販売者目線の限られた説明しか目にすることができず、中立性に欠ける面がありました。

今回の取り組みでは、店舗側での工数を抑えて「購買につながるPOP」を作成することが実現。メーカーが販促費をかけることなく消費者と商品の出会いを創出し、小売事業者、メーカー、消費者の3者の課題を解決することに繋がりました。今後は、PDCAを回しやすくするための手法の構築や精度向上、展開売り場の拡大等を検討・実施していく予定です。

本取り組みの詳細は、2024年6月11日から13日にかけてシンガポールで開催される「NRF 2024: Retail's Big Show Asia Pacific(NRF APAC 2024)」のリテールAI研究会ブースにて展示・発表されます。なお、本件に関する問合せは、一般社団法人リテールAI研究会事務局のメールアドレス(info@retail-ai.or.jp)にて受け付けるとのことです。

《Commerce Innovation編集部》