日本パレットレンタル株式会社(JPR)は、イオントップバリュ株式会社、明星食品株式会社と連携し、明星食品が生産するイオングループのプライベートブランド「トップバリュ」の即席めんの輸送にJPRレンタルパレットを導入したと発表しました。
この取り組みにより、トラック運転手の納品時の荷役時間が約70%短縮されるという大幅な効率化を実現しました。イオントップバリュと明星食品は、JPRレンタルパレットサービスを活用した一貫パレチゼーションにより、物流の持続可能性向上に取り組んでいます。
取り組みの概要として、2025年5月からレンタルパレットによる輸送が開始され、トラック運転手による手荷役作業が解消されました。具体的には、JPRから明星食品にレンタルパレットが供給され、製造ラインに投入されます。その後、トップバリュの即席めんがレンタルパレットに積載され、明星食品拠点に輸送後保管されます。
イオングループの物流センターに納品される際、レンタルパレットはそのまま物流センターが受け取り、使用後のレンタルパレットは物流センターからJPRに引き渡されます。他のメーカーが納品に使用したレンタルパレットとともにJPRがまとめて回収する仕組みです。
導入効果として、約3カ月間の運用を通じて複数の成果を確認しました。トラック運転手の納品時のトラック1台当たりの荷役作業時間が、導入前と比較して約70%短縮され、製品輸送の持続可能性が高まりました。
レンタル方式を採用することで、自社パレットでの運用を行う場合に比較して、回収業務やパレット管理の手間が抑制されることも確認されました。さらに、イオングループの物流センターにおける入庫作業効率の改善に加え、納品車両の待機発生を低減する効果も得られました。
物流業界は深刻なトラック運転手不足に直面しており、いわゆる「物流2024年問題」への対応が急務となっています。国は改正物流効率化法の施行を通じて、発着荷主に「荷役等時間の短縮」、「待機時間の短縮」等につながる対策の実施を促しており、標準パレットをレンタル方式で共有する方法を推奨しています。
即席めん業界では、製品が軽量であることから、パレットを使用しない「バラ輸送」が一般的でしたが、明星食品では深刻化するトラック運転手不足への対策としてバラ輸送からパレット輸送の導入を検討していました。
JPRレンタルパレットサービスは標準規格化されたパレットを複数の企業が共有することで、効率的な「一貫パレチゼーション」を実現する社会的なシステムです。JPRが2024年度に利用企業に供給したレンタルパレットの枚数は前年度比+5.8%の5,309万枚となり、過去最高を記録しました。