食品値上げラッシュ継続、7月は2105品目 早くも年間2万品目到達の勢い

・2025年7月の飲食料品値上げは2105品目で前年同月比403.6%の急増
・調味料分野が1445品目で最多、原材料高や人件費上昇が主要因
・年間累計1万8697品目で2万品目到達が7月にも判明する見通し

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食品値上げラッシュ継続、7月は2105品目 早くも年間2万品目到達の勢い
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株式会社帝国データバンクが2025年7月以降における食品の値上げ動向および展望について分析した結果を発表しました。

調査によると、2025年7月における飲食料品の値上げは合計2105品目となり、前年同月の418品目から1687品目増加しました。これは403.6%の大幅な伸びとなります。単月の値上げ品目数としては3ヶ月ぶりに2千品目を突破し、1月以降7ヶ月連続で前年同月を上回る結果となりました。

食品分野別では、カレールウなどの香辛料やだし製品を中心とした「調味料」が1445品目で最多となりました。「菓子」は196品目で、3月以来4カ月ぶりに単月で100品目を上回り、チョコレートやガム、ポテトチップスなど幅広い商品で値上げが実施されました。「加工食品」では117品目となり、コメ価格高騰の影響を受けた米飯製品のほか、パスタソースなどが対象となっています。

2025年通年の値上げ累計は11月までの公表分で1万8697品目に達し、前年通年の1万2520品目を49.3%上回っています。1回あたりの平均値上げ率は15%で、前年の17%をやや下回る水準が続いています。分野別では、通年についても「調味料」が6108品目で最多となり、前年の1715品目から256.2%と大幅に増加しました。

帝国データバンクは、このペースで推移すると、早ければ7月中に年間2万品目台への到達が判明する可能性があると指摘しています。

値上げ要因については、原材料価格の高騰に加え、光熱費上昇による生産コスト増、人手不足による労務費上昇、物流費上昇などが複合的に重なりました。原材料など「モノ由来」の値上げが全体の97.2%を占める一方、人件費由来の値上げも53.9%に達し、2023年以降で最高を更新しました。

帝国データバンクは、2025年の食品値上げについて、原材料高に加えて物流費やエネルギーコスト上昇、賃上げによる労務コスト増加を背景とした粘着性の高い物価上昇圧力が要因として継続していると分析しています。

国内外の天候不順による供給量不安定化や円安による輸入コスト上振れなどの要因もあり、飲食料品における値上げは当分継続する見通しです。食料品の値上げラッシュが本格化した2022年の2万5768品に並ぶ年となるのか、今後の動向も注視されます。

《Commerce Innovation編集部》

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