アマゾンジャパン合同会社は、2023年における同社の日本経済や社会への貢献について2024年11月5日に公開しました。また、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)に調査を委託し、ECの普及が企業と消費者にもたらす経済的影響について調べた結果を明らかにしました。
発表によると、2023年の単年でAmazonは日本へ1.3兆円以上の投資を行い、2010年から2023年までの期間の総投資額は7兆円を超えたとのことです。同社のこれまでの投資には、物流拠点のフルフィルメントセンター、配送拠点のデリバリーステーション、AWSのデータセンターなどのインフラ整備を含む設備投資と、顧客や配送パートナー、中小企業向けプログラムの拡充、従業員の報酬などの事業運営費が含まれます。
Amazonは物流・配送ネットワークの構築への投資を加速しており、2023年に千葉県と埼玉県に新たなフルフィルメントセンター(FC)を開設したほか、全国11カ所にデリバリーステーション(DS)を設立しました。2024年には、神奈川県に新しいFCを開設するとともに、全国15カ所でDSの新設を継続して進めています。
Eコマースの普及が企業にもたらす影響 調査結果
国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)の調査によると、E-コマースは企業の成長と消費者の満足度向上に大きく貢献していることが判明しました。E-コマース導入企業では、導入前と比較して平均して売上伸び率が年に1.6%上昇しています。

中小企業の年間の平均売上増加率の上昇幅は2%で、大企業の上昇幅は1.4%となり、中小企業への影響が特に顕著です。

過去3年以内にEコマースを開始した企業では、従業員が平均して2つのデジタルスキルを習得し、その後も実務を通じてスキルを伸ばしていることが明らかになりました。Eコマースを活用しない企業の従業員では、デジタルスキルの習得がほぼゼロでした。

さらに、Eコマースを開始した企業の売上増加率は年に1.6%底上げされる一方で、平均労働時間が月1.3時間減少しており、生産性向上にも貢献したことがわかります。

また、消費者調査から、オンラインショッピングを過去1年以内に新たに始めた消費者が考える最大のメリットは、利便性と判明。回答者の80%以上がいつでもどこでも簡単に買い物ができることを利点だと感じています。

さらに、80%の消費者がオンラインショッピングを通じて「文化的豊かさ」を感じるようになり、「暮らしの満足度が上がった」と回答しています。

GLOCOM 主幹研究員田中辰雄氏は、E-コマースについて「利便性や価格、商品の幅広さに加え、珍しいあるいは、見つけづらい商品を購入できる喜びから得られる文化的価値も注目に値します。特に地方部においてメリットは大きいと考えられます」とコメント。地域間格差の解消に、寄与しているという見解を示しました。
アマゾンジャパン社長のジャスパー・チャン氏は、「今後も皆さまの成長をご支援し、一緒に日本の未来を築いていけることを楽しみにしています」と述べています。E-コマースの普及は、企業の成長を促進し、消費者の生活の質を向上させる重要な役割を果たすことが確認されました。Amazonの継続的な投資は、今後も日本経済の活性化と社会の変革に影響を与えていくことでしょう。