株式会社チュチュアンナが、データ分析基盤の構築にあたり、ウイングアーク1st株式会社によるデータ分析基盤「Dr.Sum」とBIダッシュボード「MotionBoard」を直営約250店舗に導入しました。
女性用靴下やインナーウェアの企画・販売を手がけるチュチュアンナは、国内外に約450の直営店舗・フランチャイズ店舗のほか、ECサイトも運営しています。小売事業では、取扱商品の点数が多く短いサイクルで新商品が追加されるほか、店舗ごとに商品ラインアップを最適化する必要があり、各所在庫の適正な管理が求められていました。
従来のデータ活用基盤が定型的な分析を想定した仕組みであったため、新しいデータ分析ニーズに対応するのに時間がかかり、店舗でのデータ分析と活用が進まず、経験と勘に頼った運営が行われていました。そこで、誰でもできるマーチャンダイジング(MD)の実現を目指してDr.SumとMotionBoardを採用し、在庫管理精度の向上を図る新たなデータ分析基盤を構築しました。
導入の結果、過去3年分の売上データ約1億5千万レコードや約30万SKU分の在庫データが統合され、商品別、エリア別の週間の売上実績を前年比、前週比で可視化できるようになりました。データ取得のスピードは、2分から2~3秒へと最大60倍の高速化を実現。新しいデータ分析ニーズにも、柔軟に対応できる環境が整いました。
商品部では、データをExcelやWebブラウザーで扱うための「Dr.Sum Datalizer」を使ってアイテムを素材や靴下丈の長さといった要素でドリルダウンし、それぞれのトレンドを分析。データに基づく仕入、在庫の調整や管理が可能となり、各所在庫を適正に保てるようになりました。2024年9月にはMotionBoardを導入し、各店舗の店長は自店舗の状況をダッシュボード上から確認できるようになっています。
現在は、店舗前のカメラを用いて通行量と入店数から入店率を割り出し、POSデータと合わせてマーケティング施策を検証するなどデータの利用を進めています。今後チュチュアンナは、データ分析・活用を一層高度化させ、需要予測や在庫管理の精緻化、顧客理解の深化に役立てていく方針です。
新たなデータ分析基盤の構築より、チュチュアンナは商品の流行や販売要件の変化が激しい状況下でも、データに基づいた迅速な意思決定と効率的な在庫管理が可能となりました。小売業界におけるデータ活用の事例として、今後の成果が注目されます。