「菓子」と「加工食品」が値上げ食品全体の7割に…TDBが2024年3月の価格改定動向を分析

・3月食品値上げ728品目、年間5千品目超え
・チョコレート菓子の値上げ目立つ「ビーンショック」
・「原材料高」による値上げ再燃の可能性

市場 マーケット
「菓子」と「加工食品」が値上げ食品全体の7割に…TDBが2024年3月の価格改定動向を分析
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帝国データバンクが、2024年3月以降における食品値上げ動向について最新の分析結果を発表しました。分析対象は、主要な食品メーカー195社です。

分析結果

2024年3月の食品値上げは728品目、年間は5千品目突破

2024年3月の食品値上げは728品目で、2023年同月の3503品目と比較すると8割減少しています。年間では、予定を含め5911品目と5千品目を超え、平均値上げ率は19%に達しました。

1月から6月の半年で比較すると、年間2万品目を超えた2022年を上回るペースで推移しています。4月は加工食品を中心に3千品目を超える大規模な値上げラッシュとなる見込みで、値上げ機運の再燃が懸念されています。

「原材料高」値上げ、割合は低下も継続

原材料価格の高騰による値上げが再び焦点となっています。「原材料」の割合は88.1%と低下したものの、トマトやオレンジなど野菜・果物や畜肉価格の高騰が影響し、値上げが続く食品も目立ちました。2023年のコスト増加分のほか、物流費(56.8%)や円安水準の長期化(31.8%)、人件費(23.0%)が値上げの要因となっており、「2024年問題」に関連した値上げが広がっています。

チョコレート菓子の値上げが増加、「加工食品」と「菓子」で全体の7割

「加工食品」の407品目が、全食品分野で最多となりました。147品目が値上げされた「菓子」と合わせ、上位2分野で3月全体の7割超を占めています。特に、チョコレート菓子の値上げが目立ち、砂糖価格の上昇に加えて、「ビーンショック」と呼ばれるカカオ豆価格の急騰が影響していると分析されています。

また、コショウなどスパイス製品、大豆、畜肉製品などで価格の上昇や高止まりが見られるため、5月以降に調味料類を中心にまとまった値上げが発生する可能性があると予想されます。

今後の展望

食品市場では、物流費や輸入コストのような原材料以外のコスト増加分を、価格へ転嫁する動きが広がってきました。今後は、2024年通年で最大1.5万品目前後、月平均で1~2千品目前後の緩やかな値上げペースが続くと想定されています。消費者の購買力低下などを背景に、多品目かつ大幅な値上げには慎重さもみられますが、持続的な値上げへとシフトするか注目される状況です。

帝国データバンクによる次回の調査結果発表は、2024年3月29日に予定されており、食品市場の動向に関心が集まっています。

《Commerce Innovation編集部》