2024年4月の食品値上げは2800品目以上、半年ぶりにラッシュ到来

・4月の食品値上げは2806品目、年間6千品目超
・「原材料高」による値上げ再燃の兆し
・天候不順と円安が今後の懸念材料

市場 マーケット
2024年4月の食品値上げは2800品目以上、半年ぶりにラッシュ到来
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帝国データバンク(TDB)が、食品メーカー195社における2024年4月の食品値上げ動向について調査、分析した結果を発表しました。

調査の結果、本年4月の食品値上げは2806品目に達することが明らかになりました。値上げ1回あたりの平均値上げ率は月平均約23%です。単月で2千品目を超える値上げが常態化していた2023年半ばまでの勢いとは異なるものの、2024年内では最も多い水準となります。2024年の値上げ品目数は7月までで計6433品目となり、年間平均値上げ率は19%となりました。

値上げの要因では、人件費や物流費の増加、円安水準の長期化などが拡大しています。人件費では、最低賃金の上昇以外に賃上げの影響も見え始めました。原材料の価格上昇は、天候不順による不作が主な原因とされ、オリーブ油やゴマ、ノリ、カカオ豆などで相次いでいます。

2024年1月から7月の期間で見ると、原材料高由来の値上げは、品目数ベースで9割近い水準です。円安の進行も原材料コストの上昇に拍車をかけており、今後の値上げの懸念材料となっています。

2024年4月の食品値上げは、特に「加工食品」分野で顕著です。ハム・ソーセージといった畜肉製品や冷凍食品類の値上げが、1年ぶりに2千品目を超え、2077品目を占めました。調味料も、369品目と増加。酒類・飲料は、287品目で、ウイスキーなどの洋酒やトマトジュースなどの値上げが目立ちました。

今後の食品価格については、天候不順や円安の影響が続くと予想され、夏以降に値上げが本格化する可能性があります。物流費アップに伴う値上げも見られ、原材料コスト増加以外の事情による値上げも浸透していくと予想されます。

一方で、消費者の購買力は低下傾向にあり、食品の値上げラッシュが家計に与える影響は無視できません。家計の支出に占める食費の割合「エンゲル係数」が、2023年に27.8%と40年ぶりの高水準に達しており、販売数量の減少に直結しやすい品目や大幅な値上げには慎重な姿勢が必要です。

TDBの分析によれば、2024年の値上げは月平均1千品目前後、年間で最大1.5万品目前後の緩やかなペースが続くと見られています。食品価格の動向は、今後も消費者と企業にとって重要な関心事となるでしょう。

《Commerce Innovation編集部》