ワークマン、平均5.1%の賃金引上げを決定 小売企業として好循環に期待

株式会社ワークマンは、2025年3月期の社員とパート社員の賃金を平均5.1%引き上げることを決定しました。

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ワークマン、平均5.1%の賃金引上げを決定 小売企業として好循環に期待

株式会社ワークマンは、2025年3月期の社員とパート社員の賃金を平均5.1%引き上げることを決定しました。小売企業としての賃上げによる消費の好循環への期待感があり、模範を示す意図もあるとしています。

ワークマンは作業服、作業用品およびアウトドア・スポーツウエアを販売する専門店チェーンです。円安の直撃を受けていることもあり、社内では、業績と最近のインフレ率3%という値から判断して3%の賃上げが妥当ではないかという議論があったことを報告しています。政府統計のインフレ率には値上げが著しい生鮮食品が入っていないことを踏まえ、社員の生活を守るために5%以上の賃上げが必要という結論に至ったとのことです。

同社は、賃上げの背景として、「#ワークマン女子」の出店が活性化していることを挙げています。次世代の主力店として、女子店は未知の業界であることから慎重に出店を進めてきましたが、路面店の大量出店の目途が付き始めたことが後押しとなりました。ショッピングセンター内の敷地に「#ワークマン女子」が出店したところ、売上が3割伸びたスーパーがあり、業界での評価が高まったことで商談が急増しているといいます。

一方、価格重視の顧客が多いことから商品の値上げには慎重な姿勢で、少数の赤字PB通年品は7月以降、季節品は2024年秋冬物から価格の改定を検討する方針です。ワークマンは、今後も社員と顧客の生活を守るため、円安による逆風の中でも業界最安値を死守しながら、賃上げと店舗展開を進めていく意向を示しています。

《Commerce Innovation編集部》