オイシックス、データ活用組織を発足 サステナブルリテールに向けたDXの取り組みとは

食品のサブスクリプションサービスを提供するオイシックス・ラ・大地株式会社は、データ活用を専門とする組織、Data management office(以下:DMO)を発足しました。

テクノロジー DX
オイシックス、データ活用組織を発足 サステナブルリテールに向けたDXの取り組みとは

食品のサブスクリプションサービスを提供するオイシックス・ラ・大地株式会社は、データ活用を専門とする組織、Data management office(以下:DMO)を発足しました。

オイシックスは、2022年より成長戦略として、「ビジネスモデルとテクノロジーの力で地球にも人にもよい食を提供する」を掲げ、テクノロジーとデータを活用したサステナブルリテールの実現を推進してきました。今回立ち上げたDMOのミッションは、「データを用いて食に関する負を解消し、全ての関係者により良い食の体験を提供すること」です。データマネジメントの推進により、社員自身がデータを活用し、迅速な意思決定とサービス改善を実行できるようにすることを目指しています。

同社は、2000年の創業時からインターネット上に売り場を持ち、食材を定期的に届けるサービスを展開してきました。蓄積された購買データを利活用することで、好みに合わせたリコメンデーションを実現し、さらに体調や健康状態にも寄り添った食の提案を目指します。

また、食品業界の課題である食品ロス削減のために、期待が寄せられているのがAIによる需要予測です。予測精度を高めることで最適な発注数、在庫数を保つことが可能となり、流通過程での食品ロス削減につながります。 さらに、少子高齢化で労働力不足が続くなか、物流関連の作業をDXすることによって、省力化が実現できます。商品開発やマーケティング領域においても、いつでも容易にデータを活用できる環境を整えることにより、本質的な課題と向き合う時間を創出します。

DMOは「データマネジメント」と「データサイエンス」の2チームで構成されます。「データマネジメントチーム」は全社のデータマネジメントを推進し、信頼できるデータ・メタデータを実現することで、全社員が効率的に質の高い分析を実行できる土壌を築きます。「データサイエンスチーム」はデータ分析エキスパートとして、社員のデータ教育、および機械学習やChatGPTに代表される大規模言語モデルなど、高度なデータ利活用を進めることで価値を創出します。

今後の取り組みとして、2023年11月中に主力商品であるミールキット「Kit Oisix」を対象に、AIを用いた需要予測システムをローンチする予定です。テスト運用では、予測誤差率が30%から20%に改善しました。本システムの導入により、欠品の減少による顧客満足度の向上、過剰発注の減少による食品ロスの削減を目指します。

《Commerce Innovation編集部》