アクセンチュアとアドビは、20年以上にわたる協業体制を強化し、画像生成AIツール「Adobe Firefly」を活用した業界特化型ソリューションを共同開発することを発表しました。本取り組みにより、企業はパーソナライズされたコンテンツを大規模に展開することが可能になります。
アクセンチュアは「Adobe Firefly」のCustom Modelsを、アクセンチュア ソングが提供するマーケティングサービスに統合し、顧客のデータやクリエイティブアセット、ブランドガイドラインに基づいたAIモデルの学習を支援します。「Firefly」は生成機能を強化する商用利用向けの設計で、「Adobe Creative Cloud」や「Experience Cloud」のアプリから、APIを通じてアクセス可能です。マーケターは運用データや効果に基づいたキャンペーンを構築し、継続的な改良を行うことができます。
今回のソリューション開発では、まず小売・消費財、自動車、金融サービス、ヘルスケア業界を対象とします。新たなソリューションには、アクセンチュアの広範なデータ、AIエンジニアリングスキルや責任あるAIの実現に向けたアプローチ、ブランド体験の構築支援などを組み込みます。アドビの生成AIを活用したソリューションや、顧客のシステムと連携させることにより、利用事業者はグローバルで一貫性のあるコンテンツを迅速に作成できるようになります。
本取り組みの一環として、アクセンチュアは同社のマーケティング部門においても、クリエイティブなコンテンツを迅速に制作するために「Adobe Firefly」を活用。独自のブランドスタイルとデザイン言語を使用する「Firefly Custom Model」により、サービスを提供する19業界ごとにコンテンツをカスタマイズします。生成AIに関する取り組みは、アクセンチュアが2023年6月に発表したデータとAIへの30億ドルの投資の一環です。


アクセンチュア アドビ ビジネス グループの統括を担うジム・ラロンド氏は、「協業により、業界固有の生成AI機能を開発し、企業から新たな価値を引き出す」とコメントしています。アクセンチュアの調査によると、経営層は生成AIの可能性に前向きであり、97%が変革をもたらすと考えていますが、実際に投資を開始したのは31%にとどまります。同社は、業務改革や組織変革、責任あるAIの導入を支援するサービスを提供し続ける方針です。