楽天の出願数は17位…世界のリテールテック特許動向をアスタミューゼが分析

・アリババがリテールテック特許首位
・日本企業はリテールテックで後れを取る
・アスタミューゼが特許動向を分析

市場 マーケット
楽天の出願数は17位…世界のリテールテック特許動向をアスタミューゼが分析
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アスタミューゼ株式会社は、リテールテックに関する技術領域について、同社の所有するイノベーションデータベースを網羅的に分析した結果をまとめたレポートを発表しました。リテールテックは、小売業界に革新をもたらす新技術の総称で、eコマース、自動化、AI、データ分析などが含まれます。

リテールテック関連特許の国別出願動向

アスタミューゼは、同社のデータベース(論文・特許・スタートアップ・グラントなどのイノベーション・研究開発情報)を用いて、2001年から2021年までのリテールテック関連の特許8万件余りを分析。出願件数の推移を見ると、米国が長らくトップを保っていましたが、中国が2012年以降急上昇し、2021年には首位に立ちました。日本は2013年以降3位をキープしていますが、その件数は少なく、存在感は薄い状況です。

■上位5カ国の推移

技術分野別の特許出願動向

2011年から2021年までに出願された約6万6000件を対象に分野別の件数を見ると、「自動化・無人化」が最多となります。「セキュリティ」と「リアルタイム情報」も高い件数を維持。2016年以降は「トレーサビリティ」、2017年から「ブロックチェーン・分散型台帳」が急増しました。

特許出願人ランキング

特許出願人(法人・個人・大学・各国政府機関等)別に集計し、世界69カ国、6143社の主要企業が出願した特許3万7000件余(公開・登録含む)について、独自の特許スコアリングと、企業単位での出願件数およびTPA(Total Patent Asset:総合特許資産)ランキングを作成しました。

出願件数は、中国のAlibabaがトップに立ち、米国のAlphabet、eBayが続きます。日本企業では楽天が17位、東芝が20位にランクイン。ランク外では22位にソニー、45位にはNEC、スクウェア・エニックスが続いていました。

■出願件数上位20社

アスタミューゼ独自指標のTPA指標では、Alphabetがトップとなり、以降eBay、Amazon、IBMの順となっていました。

■独自指標TPAによるランキング

各社の注目特許

特徴的な特許として、Amazonは物流効率化や「コンピュータを使った売り手のパフォーマンス分析」といった店舗効率化に関する特許を、Alphabetは衣類リコメンドに関する特許を、eBayはウェアラブルセンサーに基づく推奨のための特許を保有しています。

ブロックチェーン関連では、NIKEの「ブロックチェーンで保護された小売商品のための暗号デジタル資産をプロビジョニングするためのシステム及び方法」をはじめ、Accenture、salesforce、IBMの特許も注目されます。また、VR・AR・MRに関する特許も増えており、SAPの「ネットワーク化されたモバイルデバイスを使用した拡張現実ショッピング」のほか、ベルシステム24、eBay、Microsoftも関連特許を保有しています。

Accenture の顧客関係管理(CRM)を自動化する「セマンティック人工知能エージェント」のような、AIや機械学習関連も増加しており、Price Technologies、Capital One Financial、Capital One Financialもこの分野の特許を取得しています。脳科学や認知科学に関する特許も見られ、Nanjing University(南京大学)は、「脳波に基づいて感情を特定するショッピングシステム」など買い物をする際の心理をテーマにした特許を持っています。

リテールテックは、新たな技術や研究を取り入れ、日々進化を続けている状態です。無人化や自動化の進展と共に、小売・流通業界のみならず、生活の未来を切り拓く推進力となることが期待されます。アスタミューゼは、同分野を含む様々な先端技術について分析し、企業や投資家に提供しており、詳細な結果やデータに関する問い合わせは、コーポレートサイトから可能です。

《Commerce Innovation編集部》