食費は上がり、他の消費行動が軒並み縮小 消費者の6割が景気は「悪化」と予想…クロス・マーケティング調べ

・給与所得が物価高に追いつかず、食費以外の消費行動が軒並み縮小している
・今後1年間の景気見通しで「悪くなる」と回答した人が59%に達した
・キャッシュレス決済への不安として災害時の現金需要やシステム障害を懸念

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食費は上がり、他の消費行動が軒並み縮小 消費者の6割が景気は「悪化」と予想…クロス・マーケティング調べ
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株式会社クロス・マーケティングは、「消費動向に関する定点調査(2025年5月)」の結果を発表しました。調査対象は、全国47都道府県在住の20歳から69歳の男女1,200人です。

本調査は2025年5月9日から10日にかけて実施され、終わりの見えない物価上昇やオーバーツーリズム、トランプ関税への影響、コメ価格の高騰などが話題となっていた中、生活実感や消費動向の推移、景況感・消費予測などについて調査しました。

調査結果

生活実態については、給与所得が上昇から低下に転じ、貯蓄金も低下する一方で、食費のみが4ポイント上昇しました。給与所得が物価高に追いつかず、先立つ食費のため貯蓄へ回す余裕のない様子が明らかになりました。睡眠時間も5ポイント減少しており、生活の質への影響も見られます。

消費動向では、食材価格上昇によるメニューの値上げが進んだことから、「食事目的の外食頻度」「飲食目的の外食頻度」「食事のテイクアウト回数」が軒並み7から9ポイント低下しました。また、「コンビニエンスストア」「スパ・サウナ・銭湯・エステサロン」「高速道路」「インターネット」の利用頻度や「衣類・アクセサリーの購入金額」も7~8ポイント低下しています。消費動向で上昇した項目はなく、実質賃金が上がらず消費行動が縮小している実態が浮き彫りになりました。

今後1年間の景気見通しについて「悪くなると思う」と回答した人が59%で約6割となり、コロナ禍初期の2020年5月の69%に次ぐ高さとなりました。今後1年間の自分自身の消費予測では、「変わらない」が52%、「減ると思う」は2024年同期より5ポイント上昇の26%でした。

決済については、「キャッシュレス決済支払いがほとんど」は45%、「セルフレジ支払いがほとんど」は18%で前年と同水準でした。キャッシュレス決済への懸念は「災害時は現金が必要でキャッシュレス決済ができない」が43%、「突然のシステム障害で使えなくなる」が28%と、50代から60代を中心にネットワーク環境の脆弱さを不安視する声が多く聞かれました。

セルフレジに対しては、「お店によりセルフレジの仕様が異なりスムーズにできない」「操作を間違えると店員の呼び出しが必要」「商品券やクーポン利用時は店員の呼び出しが必要で時間がかかる」といった不満が上位を占めました。いずれも60代が目立って高くなっています。

小売業界にとって、消費者の節約志向の強まりは売上への直接的な影響が予想されます。外食産業のほか、落ち込みが目立つコンビニ業態や衣料品小売でも、価格戦略の見直しや付加価値の提供が急務となりそうです。

《Commerce Innovation編集部》

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