イオン、パーソナライズされた従業員支援AIアプリを国内初導入 実証運用を6月開始

・業務内容に応じて支援する国内初の従業員アプリを6月から実証運用
・複数システムを1アプリに統合し、AIアシスタントによる業務支援機能も搭載
・全従業員10万人超への順次展開で職場の生産性最大化を目指す

テクノロジー DX
イオン、パーソナライズされた従業員支援AIアプリを国内初導入 実証運用を6月開始
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イオンリテールは2025年6月より、従業員一人ひとりの業務内容に応じて適切な支援を行う国内初のアプリの実証運用を開始します。この新たに導入する「従業員アプリ」は複数のシステムを統合し、AIによる業務支援機能を搭載したツールとなります。

同アプリの特徴は、様々なシステムを1つのアプリに統合し、1度のログインで複数システムを横断的に利用できる点です。業務内容に応じて必要な情報を優先的に表示することで、画面の情報量を抑え、効率的な操作性を実現しています。

また、AIによる業務支援システムを網羅し、業務をサポートする機能も搭載。6月に実装される「AIアシスタント」により、従来PCやマニュアルで確認していた情報も音声入力のみで簡単に引き出すことが可能になります。本機能は読み込み不要の「次世代型の従業員マニュアル」と位置付けられており、新人や若手従業員が顧客対応での困りごとをスムーズに解決できるように支援します。

さらに注目すべき点は、アプリ自体をパーソナライズすることで、個人ごとの業務指示から業務遂行支援、完了連絡までをシームレスに行える仕組みです。同社はこの仕組みを活用して職場全体の業務を定量化し、作業分担をより円滑に進めることで、生産性の最大化を図る構想を描いています。

イオンは本アプリを10万人以上の全従業員へと順次展開していく計画です。1人1台の端末利用を前提とし、ワークスケジュールの提示からあらゆる業務遂行支援、完了連絡まで、勤務時の情報のやり取り全てをカバーするアプリは国内初の試みです。

アプリの展開と合わせて、約390店舗にオールインワンデバイスを導入。この端末は、賞味期限を読み取る文字スキャンや複数バーコードの一括スキャン、長距離スキャン機能を備えています。愛着を持ってデバイスを使用できるように、カバーを複数の色から選べるようにしました。

小売業界では人手不足や業務効率化が課題となっており、このようなデジタルツールの導入が業界全体の生産性向上に大きな影響を与える可能性があります。特に複数の業務システムを一元化し、AI技術を活用した支援機能は、現場の従業員の負担軽減と顧客サービスの質の向上の両立を可能にするものとして注目されます。

今後、小売業界におけるDX推進の成功事例として、他社も同様のシステム導入を検討する動きが加速することが予想されます。従業員一人ひとりに最適化されたデジタルツールの普及は、小売・流通業界全体の改革につながる重要な一歩となるでしょう。

《Commerce Innovation編集部》