トライアルカンパニー、西友を完全子会社化へ 小売業界の再編加速

・トライアルカンパニーが西友を完全子会社化
・連結売上高1兆円超の小売グループが誕生
・リテールDXを通じた流通業界全体の変革を目指す

企業 経営戦略
トライアルカンパニー、西友を完全子会社化へ 小売業界の再編加速
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トライアルカンパニーは2025年3月5日、西友の株式を取得し完全子会社化することを決定したと発表しました。株式譲渡実行日は7月1日の予定です。これにより、連結売上高1兆円を超える大手小売グループが誕生します。

トライアルカンパニーグループは、九州を中心にディスカウントストアを展開する流通小売事業と、IoT/AI技術を活用した小売業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組むリテールAI事業を手がけています。

西友は関東エリアを中心に駅近の好立地店舗を多く保有し、プライベートブランド商品の開発力や自社製造拠点、取引先との強固な関係を持つことで知られています。

今回の完全子会社化により、トライアルカンパニーグループは九州に加えて関東、中部、関西エリアでの事業基盤を迅速かつ効率的に確立できると見込んでいます。両社の店舗は地域的な重複が少なく、大規模な店舗統廃合などは予定していないとのことです。

西友のPB商品や製造拠点の獲得により、トライアルカンパニーグループ全体の「食」の強化と生産・物流の最適化も期待されています。また、西友のEC事業との相乗効果も見込んでいます。

リテールAI事業では、両社の顧客データの一体化やデバイス導入台数の増加により、業界横断的な「ムダ・ムラ・ムリ」の解消を促進。タブレット決済機能付きのレジカード「Skip Cart」の活用やリテールメディアの収益化にも取り組み、サプライチェーン全体の効率化・収益性改善を目指します。

トライアルカンパニーは「リテールDX」を通じて流通業界全体の変革に向けた取り組みを推進していく方針です。株式取得資金は手元資金と約3,700億円の銀行借入で調達し、増資などは予定していません。

小売業界では大手企業による買収や再編が相次いでおり、今回の西友の完全子会社化によって業界再編の動きがさらに加速する可能性があります。デジタル技術の活用による効率化や顧客体験の向上が業界全体の課題となる中、トライアルホールディングスの今後の展開が注目されます。

◆株式取得の相手先

◆当期連結業績予想(2024年8月13日公表分)及び前期連結実績

《Commerce Innovation編集部》