HERE、日本を含むアジア太平洋地域の物流企業を対象にした初の調査結果を発表

HERE Technologies(HERE)は、物流企業を対象にした初の調査結果「APAC On The Move」を発表しました。

市場 マーケット
HERE、日本を含むアジア太平洋地域の物流企業を対象にした初の調査結果を発表
  • HERE、日本を含むアジア太平洋地域の物流企業を対象にした初の調査結果を発表
  • HERE、日本を含むアジア太平洋地域の物流企業を対象にした初の調査結果を発表

位置情報・地図データサービスを提供する企業HERE Technologies(以下 HERE)は、物流企業を対象にした初の調査結果「APAC On The Move」を発表しました。

対象

対象は、オーストラリア、台湾、インドネシア、インド、日本、マレーシア、シンガポール、タイの輸送/物流業界の企業幹部の企業幹部1,300人(日本の回答者100人を含む)です。

目的

調査は、サプライチェーン、車両、物流管理を左右する最新の技術トレンドと導入の現状について、調査対象者となった輸送/物流企業幹部から得たインサイトを提供する目的で実施されました。

調査結果

2023年の重要な調査結果の1つは、コロナ禍の始まりから3年が経過した現在でも、日本の物流企業にとって、エンドツーエンドのアセット追跡と荷物の可視化が依然として難しいことです。調査に参加した日本の物流企業からの回答を見ると、リアルタイムかつエンドツーエンドでのサプライチェーンの可視化を実現するうえで、技術導入の難しさが最大の障壁となっていると答えています。

世界の多くの国で深刻な問題となっているドライバー不足ですが、日本では勤務時間の延長でカバーしてきました。2024年4月1日より、日本の物流業界はトラックドライバーの時間外労働の上限を年間960時間に制限するという規制強化を行うため、「2024年問題」に対処することが求められています。

技術の実装における障壁、最多回答はパートナー探し

技術の実装における最大の障壁は、日本で調査に参加した企業の4分の1以上(日本26%、APAC平均52%、以下同様)が適切なパートナーやサプライヤーを見つけることだと回答。そのほかコスト(21%、APAC44%)、社内の専門知識や人材の不足(16%、APAC29%)が日本の物流企業の大きな懸念となっています。

HEREの調査によると、物流アセット追跡と荷物/貨物モニタリングソリューションの導入を妨げる主な障壁は、既存のインフラにソフトウェアを統合する難しさ(21%、APAC52%)、ソリューションを運用管理できる熟練した人材の不足(19%、APAC35%)、ソリューションを実装する時間の不足(17%、APAC39%)となっています。

荷物・貨物の追跡に過半数がソフトウェアを利用

また、日本の物流企業の過半数(70%、APAC51%)は、アセット追跡/荷物モニタリングソフトウェアを利用し、手作業での入力なしでアセット、荷物、貨物をリアルタイムで追跡しています。日本の回答者を見ると、現在の位置情報の主な3つの用途は、カスタマーサービスの向上(21%)、到着予定時刻(ETA)の予測とトラック&トレース機能の使用(19%)、アセットの追跡(16%)となっていました。

調査結果は、多くの日本企業が「2024年問題」に備えた強いインフラを持っていることを示唆しています。

ソリューションや技術は顧客満足度・持続可能性を考慮して導入

日本の物流企業は、追跡やモニタリングのソリューションを検討する際、顧客最優先の戦略を取っています。また、回答者の3分の2近く(60%、APAC40%)は、荷物/貨物モニタリングソリューションの構築または購入の動機として顧客満足度の向上を挙げました。同じ理由は、物流企業が将来の技術に投資する主な理由としても挙げられています(60%、APAC39%)。

日本は、2050年までに排出量実質ゼロの達成を約束する136カ国の1つであり、持続可能性への取り組みが日本の物流業界の優先事項として考えられています。日本の回答者を見ると、56%(APAC39%)が、物流アセット追跡、荷物/貨物モニタリングソリューションを購入する動機として持続可能性への取り組みを挙げていました。

物流業界の多くの企業はIoT技術を導入済み、新技術も検討

また、日本の多くの物流企業は、何らかのIoT技術をすでに導入しています。日本の物流企業の間でIoTの用途として最も一般的なものは、倉庫管理(22%)、アセット追跡(19%)、在庫管理(18%)でした。

さらに、日本の物流企業の半数以上がブロックチェーン(58%、APAC27%)、ドローン(56%、APAC33%)、電気自動車(55%、APAC23%)、自動運転車(51%、APAC27%)への投資を計画していました。これらの技術は物流業界で、顧客満足度を高めるだけでなく、重要なリアルタイム情報へのアクセスを改善することで、意思決定を助ける(56%、APAC38%)、技術力を高める(50%、APAC39%)と認識されています。

《編集部》