物価高騰で9割以上が普段から節約の意識、食生活変化が明らかに…日本生活協同組合連合会調べ

・組合員の94%が日頃から節約を意識しており、物価上昇が主な理由
・米の購入頻度・量が減少し、より安い商品への切り替えが進む
・嗜好品・簡便系食品の節約意識が高く、手作り料理への回帰も見られる

市場 消費動向
物価高騰で9割以上が普段から節約の意識、食生活変化が明らかに…日本生活協同組合連合会調べ
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日本生活協同組合連合会は、組合員の「節約と値上げ」に関する意識調査結果を発表しました。2025年5月13日から18日にかけて実施されたインターネット調査では、6,207件の有効回答が得られています。

調査結果

調査結果によると、全体の約94%が日頃から節約を「意識している」と回答しました。節約を意識する理由として「モノやサービスが値上がりしているから」62.3%で前年より2.4ポイント増加し、2年連続で1位となっています。次いで「将来の生活に備えて貯蓄するため」が52.6%で2位でした。年代別では、20代から50代まで幅広い世代で将来への備えを重視する傾向が見られます。

直近3か月で家庭内で行った節約項目については、「ふだんの食事」63.7%で昨年同様1位となりました。特に30代では71.0%が食事の節約を実施しており、全年代で最も高い割合を示しています。続いて「外食」が49.0%、「衣類・靴・服飾雑貨」が40.2%という結果でした。

現在節約している品目や今後節約を考えている品目では、「菓子・おやつ」41.8%、「デザート・スイーツ・アイス」が38.4%、「調理済みの総菜や弁当」が30.5%と、嗜好品・簡便系の項目が上位にランクインしています。注目すべきは「米」20.0%で昨年の16位から7位へと大幅にランクアップしたことです。

値上がりによる購入行動の変化も顕著に現れています。購入頻度や量が減った商品では「デザート・スイーツ・アイス」26.4%、「果物」が26.3%、「菓子・おやつ」が25.7%が上位となり、「米」も24.4%と前年より大幅に上昇しました。より安い商品への切り替えでは「紙製品」19.0%、「米」が17.1%、「パン」が12.6%という結果となっています。

食生活の変化については「同じようなメニューが増えた」36.2%でトップとなり、20代から30代の回答率が特に高い傾向を示しています。「手作りが増えた」は21.6%で2位となり、若い世代ほど手作り志向が強いことが分かりました。新たな項目として「米の量や頻度が減った」が20.5%で4位に浮上し、主食である米への影響の深刻さが浮き彫りになっています。

特に主食である米の消費減少が食品小売業界全体の売上構造に長期的な影響を与える可能性があり、業界全体での対応策検討が求められます。

今回の調査結果は、長期化する物価高騰が消費者の食生活に与える影響の深刻さを示しており、小売業界にとっては価格競争力のある商品展開や、消費者の節約ニーズに対応した商品構成の見直しが急務となっています。

《Commerce Innovation編集部》