2024年7月食品値上げは酒類など411品目、3年連続1万品目超え

・2024年値上げ1万品目突破
・円安と原材料高が影響
・今秋に値上げラッシュ予測

市場 マーケット
2024年7月食品値上げは酒類など411品目、3年連続1万品目超え
  • 2024年7月食品値上げは酒類など411品目、3年連続1万品目超え
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帝国データバンク(TDB)は、2024年7月以降における食品の値上げ動向と展望について分析を行いました。主な食品メーカー195社における家庭用飲食料品の値上げ品目数の累計は、11月までの予定分を合わせると1万86品目に達し、2024年の値上げ品目数が3年連続で1万品目を突破することが明らかになりました。2023年と比べると、1万品目到達は5ヶ月遅いペースでです。

値上げの主な要因としては、円安と原材料高が挙げられます。2024年の値上げ品目のうち、円安要因の値上げは品目数ベースで29.8%を占め、前年の11.6%から約3倍に拡大。原材料高による値上げは91.7%を占め、特に春以降の値上げでその影響が顕著でした。猛暑や干ばつなどの天候不順による不作も影響し、カカオ豆やコーヒー豆、オリーブ、オレンジなどの輸入果汁の価格が高騰しています。食品トレー容器などで値上げが相次ぎ、包装資材の値上げ要因も67%となりました。

2024年7月の飲食料品値上げは411品目に上り、酒類・飲料が最も多い199品目でした。輸入ワインやコーヒー製品が値上げの対象となり、菓子類ではチョコレート製品や米菓、スナック菓子が値上げされています。パン類では輸入レーズンやチョコレートの価格高騰を受け、一部製品で1年ぶりの値上げが実施されました。

円安の進行を受け、コストプッシュ型の値上げが再燃していることから、今秋に大規模な値上げラッシュが予測されています。2024年通年の値上げ要因では、原材料高が全品目数の9割を占め、包装資材や物流費の値上げも前年を上回る水準で推移してきました。円安や人件費の影響も2023年に比べて3倍多いペースで進行しており、値上げの要因は複雑になっています。

10月の食品値上げ予定品目数は、現時点で半年ぶりに1千品目を超える見込みであり、さらに増加すると予測されています。1ドル160円前後の相場が続いていることで、輸入コスト低減への期待感は弱まっており、一部の原材料や包装資材では一層の値上げが見込まれます。こうした状況を受け、TDBは2024年後半の値上げの動きについて、月最大2千品目前後、年間で最大1.5万品目の値上げペースが続くと予想。ただし、円ドル水準の下落局面が長期化しており、想定を上回る可能性もあるとしています。

2023年に比べると、ペースは緩やかながら値上げ傾向が続いており、円安を含む様々な要因の動向に引き続き注目が集まります。

《Commerce Innovation編集部》