
ジュエリーやウォッチ、アクセサリーを扱う小売事業者向けに、ビジュアルコマース体験をマネージドサービスとして提供するTangiblee(タンジブリー)は、ウォッチ向け高精度バーチャル試着(High Fidelity Virtual Try-On)をアップデートしました。買い物客の手首に合わせてウォッチのサイズと位置を調整する「キャリブレーション」と、撮影した写真の光・影・反射に合わせた描写により、実物を着けたときに近い見え方で試着できます。
背景:数ミリの違いで印象が変わるウォッチ
ウォッチは、わずか数ミリの違いで手首の上の印象が大きく変わる商品です。同じ37mmのケースでも、細い手首では存在感があり、太い手首では控えめに見えます。商品ページにケース径や厚みが記載されていても、自分の手首でどう見えるかを想像するのは簡単ではありません。
また、ウォッチは光に強く反応します。ポリッシュ仕上げのベゼルは光を拾い、ブレスレットのコマは光と影の間で表情を変えます。サイズが正しくても光の当たり方が写真と合っていなければ、ウォッチが手首に貼り付けたように見え、試着結果を信頼しにくくなります。
アップデートの内容
キャリブレーション:商品のサイズ情報と手首の情報をもとに、正しいスケールと位置でウォッチを表示
光・影・反射への適応:買い物客が撮影した写真の光や角度に合わせて見え方を調整
商品の忠実性:文字盤の色や仕上げ、プロポーションをブランド自身の商品画像に基づいて再現
カタログ全体への展開:既存のPDP画像から機能するため、ウォッチごとの3Dモデル制作は不要
仕組みとしては、PDPに掲載済みの商品画像を使い、サイズ情報をもとにキャリブレーションを行います。対象の各SKUを処理して品質チェックを行ったうえで、買い物客が撮影した手首の写真に合わせてサイズや角度、光、影、反射を調整します。
写真1枚で複数のウォッチを比較
ライブカメラ型のAR試着は手早く見た目を確認するのに適していますが、Tangibleeの写真ベースの試着は比較に強みがあります。手首を一度撮影すれば、同じ写真の上でケースサイズや素材、文字盤の色、ブレスレットとストラップなどを切り替えて見比べられます。
来店予約制・接客型の販売が多い日本の時計・宝飾店にとっては、来店前に自分のペースで候補を絞り込めるため、限られた接客時間を有効に使うきっかけにもなります。
ブランド側に必要な準備はありません。3Dモデルや試着専用の撮影、SKUごとの試着用素材、個別出力のためのプロンプト、買い物客の画像ごとの社内承認フローはいずれも不要で、商品の処理と運用はTangibleeが担います。

ウォッチブランドでの導入成果
以下は今回のアップデート以前の、ウォッチ向けバーチャル試着による個別事例の結果です。測定方法や期間、対象サイトが異なり、同様の結果を保証するものではありません。
シチズン(米国):A/Bテストで訪問者あたりの売上が15.7%、コンバージョン率が7.98%向上
モバード:A/Bテストでコンバージョン率が7.82%、ユーザーあたりの売上が8.01%向上
Casio Europe GmbH(ドイツ):体験に接触したユーザーは非接触ユーザーに比べ、コンバージョン率が72.57%、1セッションあたりの売上が83.79%高い結果(因果関係ではなく相関)
Watches of Switzerland Group:Goldsmithsでの検証後、英国・米国の複数ブランドへ導入が拡大
提供について
アップデートされたウォッチ向け高精度バーチャル試着は、Tangibleeの既存クライアントと、導入を検討中の時計・宝飾ブランド、小売事業者に向けて提供されています。同社CEOのエリアド・インバー氏は「自分の手首に着けたときの大きさが正しいか、その場の光の中で本物のように見えるか。その2つがそろって初めて、買い物客は試着の結果を信頼して選べる」とコメントしています。



